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【週刊文春】電撃引退・西内まりやに衝撃的な文春砲が炸裂し...1： 1/3 2023/03/23(木)00:05:48
目指すものがあるならば、それに相応しい振る舞いを。それこそが、いずれ自分を望む姿へと変える……
若き政財界の重鎮が語る在り方はしょせん絵空事と、住む世界が違うと聞き流されてきた
ただ一人、その言葉を真に受けて分不相応な世界に踏み込もうともがく者を除いて
「ふぁ……あ……暖かくなってきたなぁ」
「……あくび。背筋」
「はいっ！……お、おはようルビー」
「おはようございます。トレーナーさん」
早朝のトレセン学園正門前。件の身の程知らずなトレーナーは凛と張り詰めた声に脊髄反射で背筋を伸ばした
声の主はダイイチルビー。華麗なる一族の末裔にして学園一さそり座の似合う女、そして彼の担当ウマ娘である
「他の生徒もいるのにだらしなかったな。ごめん」
「いえ。直して頂けたなら結構です」
「……もしかして、まだ何かある？」
訂正を認める言葉とは裏腹に、ダイイチルビーの視線は前ではなくトレーナーを射抜き続けていた
彼女の隣に立つものは常日頃から身だしなみや立ち居振る舞いに高い水準が求められる
そのため朝一番に顔を合わせた時、そのチェックに頭ひとつ分はある身長差が逆転するような錯覚に陥ることがしばしばあった
若き政財界の重鎮が語る在り方はしょせん絵空事と、住む世界が違うと聞き流されてきた
ただ一人、その言葉を真に受けて分不相応な世界に踏み込もうともがく者を除いて
「ふぁ……あ……暖かくなってきたなぁ」
「……あくび。背筋」
「はいっ！……お、おはようルビー」
「おはようございます。トレーナーさん」
早朝のトレセン学園正門前。件の身の程知らずなトレーナーは凛と張り詰めた声に脊髄反射で背筋を伸ばした
声の主はダイイチルビー。華麗なる一族の末裔にして学園一さそり座の似合う女、そして彼の担当ウマ娘である
「他の生徒もいるのにだらしなかったな。ごめん」
「いえ。直して頂けたなら結構です」
「……もしかして、まだ何かある？」
訂正を認める言葉とは裏腹に、ダイイチルビーの視線は前ではなくトレーナーを射抜き続けていた
彼女の隣に立つものは常日頃から身だしなみや立ち居振る舞いに高い水準が求められる
そのため朝一番に顔を合わせた時、そのチェックに頭ひとつ分はある身長差が逆転するような錯覚に陥ることがしばしばあった
2： 2/3 2023/03/23(木)00:06:21
「失礼しました。トレーナーさんが眼鏡をかけている姿を初めて見たもので」
「メガネ？……あっ、本当だ」
ダイイチルビーがまじまじと眺めていたもの、その正体は普段裸眼のトレーナーがかけていた眼鏡であった
「掛けっぱなしで来ちゃったのか。気付かなかった」
「……トレーナーさん。貴方が私と契約を交わして以来、日頃より並ならぬ苦労をされていることは理解しているつもりです」
「どうした急に」
「身命を賭して尽くして頂いている貴方に一生の傷を負わせたとあれば、華麗なる一族の名折れ。当家の医師団に呼びかけ責任を持って治療を……」
視力の低下には様々なケースがあるが、過酷な生活環境が原因でそれが今後も続くなら自然治癒は絶望的である
もはや一刻の猶予もなし、と悟り詰め寄るダイイチルビーをトレーナーは制した
「落ち着いてルビー。これはそういうのじゃないんだ」
「でしたら何故……」
「その……こう……見えないか……と」
「……もう一度、ハッキリと仰って下さい」
「…………ちょっと頭良さそうに……見えないかなって……」
しばしの沈黙。そして二人の間に春先にしては少し肌寒い風が吹いた
「メガネ？……あっ、本当だ」
ダイイチルビーがまじまじと眺めていたもの、その正体は普段裸眼のトレーナーがかけていた眼鏡であった
「掛けっぱなしで来ちゃったのか。気付かなかった」
「……トレーナーさん。貴方が私と契約を交わして以来、日頃より並ならぬ苦労をされていることは理解しているつもりです」
「どうした急に」
「身命を賭して尽くして頂いている貴方に一生の傷を負わせたとあれば、華麗なる一族の名折れ。当家の医師団に呼びかけ責任を持って治療を……」
視力の低下には様々なケースがあるが、過酷な生活環境が原因でそれが今後も続くなら自然治癒は絶望的である
もはや一刻の猶予もなし、と悟り詰め寄るダイイチルビーをトレーナーは制した
「落ち着いてルビー。これはそういうのじゃないんだ」
「でしたら何故……」
「その……こう……見えないか……と」
「……もう一度、ハッキリと仰って下さい」
「…………ちょっと頭良さそうに……見えないかなって……」
しばしの沈黙。そして二人の間に春先にしては少し肌寒い風が吹いた
3： 3/3 2023/03/23(木)00:06:56
「トレーナーさん。私の前では構いませんが、くれぐれも人前ではお控えいただきますよう」
「はい。すみません」
「それと、本当にお体を悪くしたならお知らせ下さい。すぐに手配いたしますので」
「はい。お気遣い感謝します」
ダイイチルビーの校門前の身だしなみチェックは厳格な一族の歴史を思わせるほど厳しく、しばしば足止めを食らっているところが目撃される
それが彼女の愛の鞭であることは周知の事実であるため、通りかかる生徒たちは生暖かい目で見守るのであった
「はい。すみません」
「それと、本当にお体を悪くしたならお知らせ下さい。すぐに手配いたしますので」
「はい。お気遣い感謝します」
ダイイチルビーの校門前の身だしなみチェックは厳格な一族の歴史を思わせるほど厳しく、しばしば足止めを食らっているところが目撃される
それが彼女の愛の鞭であることは周知の事実であるため、通りかかる生徒たちは生暖かい目で見守るのであった
その数日後。就寝前の勉強に励むダイイチルビーにヒシミラクルが声をかけた
「あれ？ルビー、眼鏡なんてかけてたっけ」
「伊達ですが気分転換にと……おかしかったでしょうか？」
「ううん。ルビーにはちょっと大きいと思うけど、似合ってるよ。お気に入りなんだね」
「……ええ。ずいぶんと探しましたから」
この時ヒシミラクルは気付かなかったが、その眼鏡は彼女にしては珍しく、安月給の新人トレーナーでも買えるような既製品であったという
余談だが彼女の好むさそり座は夜空に煌々と輝く姿に誰もが目を奪われるが、一方で一途な星であるとも言われている
6： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:08:58
>>2
>「…………ちょっと頭良さそうに……見えないかなって……」
この発想が既に頭悪い…
>「…………ちょっと頭良さそうに……見えないかなって……」
この発想が既に頭悪い…
7： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:09:05
>>3
>この時ヒシミラクルは気付かなかったが
文章までズブくなるんじゃない
>この時ヒシミラクルは気付かなかったが
文章までズブくなるんじゃない
8： s 2023/03/23(木)00:13:44
>>7
今気付いた…ごめんミラクル
今気付いた…ごめんミラクル
9： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:14:18
>>8
どっちのミラクルだよ！
どっちのミラクルだよ！
4： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:08:06
お嬢ー！！！！！お嬢がむっちゃ乙女なことしてるー！！！！！！お嬢ー！！！！！！！
5： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:08:21
トレーナーが自分の前以外でもメガネかけてたらどうなるの？
10： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:17:45
毎朝身だしなみチェックしてくれるとか奥さんかよ
13： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:20:43
>>10
>通りかかる生徒たちは生暖かい目で見守るのであった
>通りかかる生徒たちは生暖かい目で見守るのであった
17： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:59:03
>>13
（またやってる…）
（結婚したあとも尻に敷かれるタイプだ…）
（またやってる…）
（結婚したあとも尻に敷かれるタイプだ…）
16： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:26:24
中央のトレーナーはガチガチのエリート集団なんだけど眼鏡かけて頭良くなった気分になりそうなの何人かいるな…
18： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)00:59:40
（お可愛いこと…）
19： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)01:06:40
（ひどいカップル。）
20： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)01:13:18
(眼鏡を掛けたトレーナーに心を奪われた私...)
21： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)01:21:59
4年目以降ならインテリでも通じるかもしれないし…
理由がダサいのはそうだね
理由がダサいのはそうだね
22： 名無しさん（仮） 2023/03/23(木)01:36:10
（執事さんのモノクルを借りたら度が強くてくらくらする俺…）