【ウマ娘怪文書】ウマ娘にはそれぞれ運命があると聞いたことがある　特定の相手との縁を感じたり、特定のレースへの情熱があったり、とあるタイミングで怪我をしたりそして、ある季節になると消えそうになったり

運命
ウマ娘にはそれぞれ運命があると聞いたことがある
特定の相手との縁を感じたり、特定のレースへの情熱があったり、とあるタイミングで怪我をしたり
そして、ある季節になると消えそうになったり
かつての担当にして現在愛する妻であるアストンマーチャンは、春になると体調を崩す事があった。そればかりかシニアの春では誰もが彼女の存在を忘れ、彼女も海に行きそうになった。

だがふと吹いた一陣の風によって彼女を思い出した俺は、一生彼女と共にいる事を誓い、それからは春に体調を崩す事も無くなっていった。
運命は乗り越えられた。そう、思っていた

「調子はどうだ？マーチャン」
「おや、今日も来たのですか？お仕事の方は...」
「他の人に任せてきたよ」
「むう、さすが用意周到ですね。ですがマーチャン知ってますよ。最近四コマの更新をしてない事を」
「うっ....」
「あなたにはマーチャンを発信し続けて欲しいのです。どんな時でも、何があっても...」
「......」
「それにマーチャンは絶対に治ります。そしたら奇跡の回復をしたフジミノマーチャンとして、入院している人達にも覚えてもらえるのです」
「....ははっ。それじゃあ新しいマーチャン人形の衣装も考えないとな」

それからはただ他愛もない話を続け、気がつくと面会時間が終わりかけていた。
「おっともうこんな時間ですね。明日もお仕事ですしそろそろ...」
「そうだな。じゃあまた明日」
「四コマ、描いてくださいね」
「.......善処するよ」
そう言うと病室から出て歩くが、たまらずベンチに腰をかけていた
(あまり目が合っていなかった....視野が狭くなってきてるんだ)
あの春以降、人々がマーチャンを忘れる事は無くなり、全ては解決したのだと思っていた。しかし引退してから数年、予想外の所からまたそれは襲ってきた

脳腫瘍
初めは単なる頭痛だと思っていた。仕事続きで疲れていたのだと
しかし薬を飲んでも一向に収まらず、病院で精密検査をした結果かこれだった。しかもかなり奥の方に出来ているため手術で取り出すのも困難とまで言われた
勿論できる限りの手段は探した。しかし世界がそれを拒むかのように症状は進行し、ついに目に症状まで出始めた。後どれだけの命なのか...

『あなたにはマーチャンを発信し続けて欲しいのです』『四コマ、描いてくださいね』
ふと、言われた事を思い出し鞄からタブレットとペンを取り出す
勿論、マーチャンの四コマは何度も描こうとしていた。長い付き合いだ、きっとこんな状況でもマーチャンはそれを望んでいるのは分かっていた。しかし...
(描ける訳ないだろ...！だって...)
彼女がどんなに苦しんでいるかを自分は知っている。見るだけでも苦しいのに、それを自分の手で描かなければならない。それにどうしても耐えられそうになかった
何より残るものが出来たら、また彼女が消えてしまうかもと思ってしまった

「やっぱり無理だ...今日はもう帰ろう」
そしてタブレットを鞄に戻して帰ろうとすると
(ﾄﾞﾝｯ)「うわあ！？すみませ....」
どうやら人にぶつかってしまったようだが、相手の姿を見て一瞬信じられなかった
背は自分より遥かに高く、そしてぶつかった際に分かったが全身が筋肉の塊のように鍛えられている。しかし何より目を引くのは...

(何だこのマント！？)
その男がマントを身につけていた事だった

「はあ...K先生と言うんですか。いやまさかお医者様だとは...ところでこの病院には何故？」
「実は知り合いからここに難しい患者がいると聞いてな。その患者は大人気マスコットのウマ娘でそして...」
するとこちらを見ると
「その夫はいつもタブレットとぬいぐるみを持ち歩いていると聞いたが...どうやら探す手間が省けたようだな」

「で、ではマーチャンは助かるんですね！良かったなマーチャン！」
「.....手術はまだ受けられません」
「.....！？どうしてなんだマーチャン！このままじゃ君は...」
「脳の手術が大変な事は知っています。小さい頃、知ってる患者さんがそれで治った事も、そのまま海へ行ったこともあります。今のマーチャンが受けたら、きっと海へ行ってしまうのです」
「ど...どうして！？体力だってまだ...」
するとマーチャンはこちらを向く。先程とは違ってその目はハッキリこっちを見ていた

「マーチャンはもっと貴方の四コマが読みたいのです。どんなに辛い治療でも続きを読むためならマーチャンは頑張ります。でも続きが無いとなるとマーチャンは楽しみが無くなってしまうのです」
ハッと気がついた
そうだ、思えばあの四コマを最初に見せたのはマーチャンだ。それからずっと描いた四コマは必ず最初にマーチャンに見せるようにしており、その時見せる顔が何より嬉しかった
描くのが辛い？だから何だ。そんなの彼女の顔を見ればどうって事ない。何故なら
「マーチャンは、貴方の漫画の世界で最初で世界一のファンなのです」

「ああ、そうだったな...」
すると肩に手が置かれた
「入院生活は辛いものだ。しかし日々の楽しみが活力を生み、それがあれば乗り越えられる。そういった患者を俺は何度も見てきた」
「K先生....」
「描いてやれ、彼女が望むものを」
「....はい！」

『マーチャン日記闘病編 最終回』
「これを読んでいる皆さんへ。皆さんはどう過ごしていますか？元気でいるのでしょうか、それとも病院のベッドの上なのでしょうか」
「入院中の生活は辛かったです。お外には行けないし、お薬は苦いし、今のマーチャンはツルマルマーチャンなのです」
「でも、入院中希望があったおかげでマーチャンは元気になれたのです」
「この漫画が、どうか皆さんの希望になれますように。どうか一緒にフジミノマーチャンになりましょう」

マーチャンとK先生が組み合わせたかっただけです
実家が病院って聞いて頭に浮かびました

「あれー？なんだ来てたんですか！言ってくれたらお茶でも出したのに！」
「いや、所用があって近くに来ただけだ。それより富永」
「何ですか？」
「院長の仕事、頑張っているようだな」ﾌｯ
「そ、そうですか？いや〜まあ大変な事もあるんですけど最近は楽しみもあって....毎日更新してる四コマなんですけど........ああああああああ！！！！」

「どうかしたのか？」
「いえ...体調不良で入院につき連載休止って....はあ...俺の楽しみが...でも確かに最近頭痛がしたり目眩がって話がちょくちょくあったしなぁ...」
「なに？おい富永、その漫画はどこで読める？」
「はあ...ここで読めますが...」
「少し借りるぞ........................この症状に頻度....いかん！」(ｷﾞｭｯ)

Kよ！ってなったときのこの安心感

タブレットとぬいぐるみ の所がタブレットと着ぐるみ に勝手に脳内変換されてそりゃ探しやすかろうとか思ってしまった
ありがとうドクターK…

悲しい終わりなのかな…と思い始めた頃に
>8
>(何だこのマント！？)
この安心感

テイオーの骨折も安心して診せられる
むしろ治してるからトレーナーがKの意志を継いでるかもしれない

正直施術終わってからトレーナーと二人三脚の復帰生活が見たい

脳腫瘍の手術にウマ耳死ぬ程邪魔だな

脳腫瘍あたりでK先生出てきそうだなと思ってたらほんとに出てきた…

トレーナーが内臓の病気にかかり担当から生殖移植を受ければ助かることが判明するものの選手生命を奪うわけにはいかないから断る回とかある

病気の単語が出た時にあれ？ってなって脳腫瘍の文字が出てこれK先生でるわ！って予感できた

スーパーの方には競バの話あったけどK2はまだ無かったね

俺がサプライズKに慣れすぎている…

かつて繋靭帯炎はウマ娘にとって不治の病と呼ばれていた…

だが……治療が必要なのはトレーナー！君の方だ！

出てきた医者がふらんけんふらんでなくてよかったよ