【ウマ娘怪文書】桜の季節と前後してトレセン学園の生徒たちは次々と誕生日を迎える　華麗なる一族の息女ダイイチルビー。彼女は今頃、政財界の来賓の対応で大忙しだろう

原因は不明だが、桜の季節と前後してトレセン学園の生徒たちは次々と誕生日を迎える
彼女たちの多くは寮生同士や仲の良い友人と誕生日を祝うが、一部のウマ娘はその限りではない
華麗なる一族の息女ダイイチルビー。彼女は今頃、政財界の来賓の対応で大忙しだろう

「やっぱり俺も手伝いに行ったほうがいいかな！？」
「トレーナーさんの出番は夜に行われる身内での会食のみと申し上げたはずですが」
同じ頃、トレセン学園にてその光景を想像し懊悩する俺を１人のウマ娘が窘めた
ダイイチルビーを担当して以来、人前では落ち着き払った態度を演じているが性根という物は中々変わるものではないらしい
「それに本日のご来賓の方々はレースにさほど興味がない方が大半ですので、今のトレーナーさんでは……」
「……無視されるか、一族と関係を持つダシにされるのがオチだな」
「はい。ご厚意には痛み入りますが、『ダイイチルビー』にお任せください」
慌てる俺を宥め、他人事のように来賓対応をダイイチルビーに一任する。合理的な判断を下す光景に違和感はない
ただ一点、その提言をするウマ娘の姿が誰がどう見てもダイイチルビー本人であることを除けばの話だが

華麗なる一族は突出した競争能力のために、度々時の権力者に利用される危険に晒されたらしい
一族の断絶を恐れた彼女らの祖先はその家系を分断。以来一族は表と裏、二つの道を歩むことになる
この少女はその裏の道を歩む家系のウマ娘。ダイイチルビーの影武者を勤める自らをダイニルビーと名乗った
「心配しても仕方ないか……あっ、そうだ」
「トレーナーさん？どうかなさいましたか」
「確かここに……あった！」
机を漁って出てきたのは次に彼女が来た時に渡そうと思っていた小さな缶
いつかルビーと２人で言った喫茶店で頂いた珍しい紅茶、その茶葉だ
「誕生日プレゼントに買ってきたんだ。こっちは君の分」
「これは……あの時の……」
「もしかして知ってる茶葉かな？あっ、でも気に入らなかったら正直に言ってくれよ！」
ダイニルビーはダイイチルビーと瓜二つ。背格好も顔立ちだけでなく、走りや美意識まで同じと言っていい
彼女の誕生日を祝う気持ちは嘘ではないが、ダイイチルビーへのプレゼントの試金石という面も少なからずある
「……お心遣い感謝いたします。このお礼は必ず」
「そ、そう……。喜んでもらえて良かった……かな？」

一族の重責を一身に負うダイイチルビーに比べ、ダイニルビーは感情表現が豊かな印象がある
その彼女のリアクションが渋ければ、きっとダイイチルビーも……
という具合に上の空になっている俺を正気に戻したのはダイニルビーの声だった
「トレーナーさん、ひとつ申し上げておきますが」
「はっ、はい！」
「ダイイチルビーと華麗なる一族は切っても切り離すことは出来ない存在。一族にとって要か不要かが彼女の判断基準です」
「それは……分かってる。消耗品なら邪魔にならないと思ったんだけど、余計だったかな」
「とはいえ、顔に出さないからと言って何も思うところがない訳ではございません。澄ましていてもまだまだ甘え足りない小娘ですので」
「…………本当に？」
ダイニルビーが言うのであれば説得力があるが、普段抱いているダイイチルビー像からの乖離が激しい
正月のお節やクレーンゲームのアレも実は……いや、あれは本当に要らなかったのかも
「ダイイチルビーには立場がある以上、個人的な感情を表に出すことは許されません。ですがもし、その胸の内を打ち明ける時が来たら……」
「その時は俺が受け止めるよ。約束する」
「トレーナーさん……」

あり得ないとは思うが、そんな時があるとしたらルビーがよっぽど追い詰められた時だろう
どんなことがあっても彼女に寄り添い、立ち上がるまで何度でも手を差し伸べるのがトレーナーの役目だ

「さて、出かけるまで時間もあるし試飲してみようか」
「承知しました。私が淹れましょう」
「いいよ、本日の主役は座って待っていて……」
「では２人で準備しましょう。トレーナーさんはお湯を沸かしてください」
テキパキと動くのはダイイチルビーと同じだが、ダイニルビーは何かと一緒にやりたがる傾向がある
ダイイチルビーが彼女の言う通り、本当は甘えたがりならこういう感じなんだろうか……そんなことを思いながら俺たちは穏やかなティータイムを過ごした

本当に？
本当にその影の一族なんてものは存在するのですかね？

またダイニルビーがイチャイチャしてる…

またルビーがK2読んで影響受けてる…

本当に政財界の来賓来てる？実家では普通に一族の歓迎会の準備してない？

裏の一族の責務として血を絶やさない為に後継作ったら何故か表の方も後継出来てそう

財政界の歓迎会の前に身内の中に当然のように入れられてることに…

その一族未婚ばっかだからあんま真似しない方が…

そのうちクローンルビーが出てきても不思議じゃないぞ

祖先が同じなら似てることもあるだろう
でも外見どころか中身まで瓜二つなくらい似ることなんてある…？

突然湧いてくるルビーの妹突然湧いてくるルビーのクローン突然湧いてくる表舞台に出ず影で走りの研鑽を欠かさない親戚

タキオンあたりにライバルのマッドなウマ娘やらせるルビー

ルビーの言葉がそのまま華麗なる一族の言葉になるから個人的な感想とか言えないんだ
だから態度で示すんだ

ルビーのトレーナーがダイイチルビーとダイニルビーを間違えるとかあるわけないだろ…

ダイニルビー（母ハギノセカンドレディ/母母ニトー）