【ウマ娘怪文書】親しい仲でも、勝手に女の子の頭を撫でてはならない。それは常識でありマナーだが、彼ははほぼ無意識の内に、その手の平で目の前の細く滑らかな髪と耳の手触りを堪能していた

「あ、ごめん！」親しい仲でも、勝手に女の子の頭を撫でてはならない。それは常識でありマナーだが、彼ははほぼ無意識の内に、その手の平で目の前の細く滑らかな髪と耳の手触りを堪能していた。
慌てて引っ込めようとする手を、彼女──ネオユニヴァースは、小首を傾げながら掴んで引き留めた。

「……？ ネオユニヴァースは、『なでなで』の継続を要求するよ」
「……そっか。嫌じゃないなら良かった……つい、ネオが子犬みたいに見えて」
「子犬？……ネオユニヴァースは、トレーナーの子犬？……それは、とってもスフィーラだね」

ネオユニヴァースは小首を傾げたままトレーナーに身を寄せ、目を細めて指先の温もりを堪能する。
そんなネオユニヴァースの態度に従順で甘えん坊な子犬の姿を重ね、トレーナーはチャイムが鳴るまでトレーナー室で彼女の頭を撫で続けるのだった──

──後日。「……チャイム。放課後」
「ユニちゃんもう行くんだ」
「本当トレーナーさんのこと大好きだねー」

クラスメイト達に見送られながら、ネオユニヴァースは口角を上げて、一言だけ答えた。

「アファーマティブ。ネオユニヴァースは、トレーナーの『雌犬』だから」

ウワーッ！？

意思の疎通が難しい子を狙うとは卑劣すぎる

ネオユニヴァースはこういうこと言う

詰問ッ！ 説明を求める！

ﾋｿﾋｿ...

ユニちゃんはメインストーリー終わったら後は存分に甘えてほしいよね
だから俺はそういう怪文書書くやつに報酬のそうだねを支払う

「アファーマティブ。トレーナーは謝りながら言ったよ。『ネオユニヴァースは犬だ』って……とってもスフィーラだね」

世代の代表格であるネオユニがこれだと他の同世代ウマ娘に風評被害が発生してしまう…

トレーナーのセクハラ被害って誰に相談すればいいんだろう
たずなさん？

微笑ましいひととき…からのウワーッ！？これ首飛びかねない！？って高低差が半端ねぇ

これでクビになるのが一番ネオユニの不幸だからな…ウマ娘の幸福を願うトレセンならヒアリングしたのち節度をもって接するようにと理事長がこっそり鋼の意思をくれるだろう…

後日。たづなより注意を受けたトレーナーは、ネオユニヴァースに訂正と注意を告げた。
言い方には気を付けてほしいと。あと誰にでもそういうことを言っていいわけじゃないと。
その結果──「アファーマティブ。ネオユニヴァースは、『トレーナー専用雌犬』だから」

トレーナーはネオユニヴァースの事を『BTCH』って言っていたよ

ｳｿﾃﾞｼｮ…?

なでなでがトレセンで流行りそう

イヌユニヴァース…

おてがきありがたい…

「ロブロイが言っていた。私の耳の触り心地は──GOODだと。お前も、触ってみるか」すっと、頭を差し出してくるシンボリクリスエス。どことなく賢い忠犬が不器用に甘えてくるようで、トレーナーは微笑ましい気持ちになってしまった。

「何故、笑う？──私が、犬のよう、だと？」「いや──不快では、ない。謝罪は、不要だ。成る程──犬、か」

目を閉じて、トレーナーの言葉を反芻し、何度も頷くクリスエス。何かしら彼女の中で納得のいく答えが見つかったのだろう。
そして後日──

「シンボリクリスエスさん！ これで今年の重賞〇〇勝目！ やはりトレーナーさんとの意思疎通が鍵なのでしょうか！？」
「ああ。それは間違いない。私は──」

全国中継されている中、クリスエスは胸を張って、確かな自信と共に告げた。

「トレーナーの、雌犬だからな」

トレーナーの謝罪会見開かないと…

あそこにいるのは私だってトレーナーさんの犬です！と張り切るちよドッグ

続々とイヌ娘のトレーナーが社会的ピンチに襲われてる！