タブレットになれて来た。
おどろくことばかり
バイオロイドが多い。すごく大勢。
ブラッディpantherモデルにはじめて合った。
どうにかタッチキーボードがまともに使えるようになってきた。
アレクサンドラさんの授業できいたグミン政策というのが何のことかわからなかったけど、ようやくわかった。デルタはこういうことから私たちを遠ざけたかったんだ。
アイアンアニーの言ってたことはぜんぶ本当だった。むしろ控えめすぎるくらいだった。リヨンはすごいまちだ。
食事がもらえる。殴られない。立ち止まっても怒られない。挨拶してくれる。
いろいろありすぎてとても全部はいえないけど、本当にすてきな所だ。誰もが一度リヨンに来てみるべき。
メールのおくり方もおそわった。
字を書くのになれるための日記だけど、今日からはサン・ナボール村のみんなにも送信しようとおもう。ちゃんとメールが送れるだろうか。
オルカにもとからいるアーマードメイデンの人たちが、歓迎会をしてくれた。
食べ物とお菓子と、お酒もあって、どれもすごくおいしい。ワインなんて大昔に一口だけ飲んだきりだ。誰もがどんどんお菓子をくれるからお腹いっぱいになってしまった。
オルカではもう何年も前から、明日食べるものの心配なんかいらないそうだ。
ブラッディパンサー隊長のすすめで、こっちにいる間だけでも、はたらき口を探すことにした。住む部屋と毎日の食事は無料でもらえるけど、何もしないでぶらぶらしているわけにはいかない。私は村の代表としてここへ来ているんだから。
あと、働かないとナースホルン隊長のようになるぞとみんなにおどかされた。
あと、今日食べたようなお菓子が、街のあちこちで有料で売っている。また食べたい。
配給の食事だって、去年まで食べてたものよりずっとずっとおいしいのに。ぜいたくに慣れるってこわい。
街のすぐ外にある農場で働くことになった。
モジュールを入れ直してアーマードメイデンに復隊することも考えたけど、再訓練に時間がかかるみたいだし、戦闘部隊に入ったら街を離れないといけないのでやめた。
村ではテンサイとジャガイモを作ってたと報告したら、ジャガイモの畑に回してもらえた。
畑はたくさんあって、分野ごとに一人ずつフェアリーシリーズがついている。その指導がほんとうに的確で、勉強になることばかりだ。私たちがやってたのはただの見よう見まねだったんだとわかってしまった。
今日はまたひとつ、信じられないものを見つけてしまった。
買い物をしていたら雨が降ってきたので、適当な店に飛び込んだ。「フルール・ド・ポー」という名前で、はじめは喫茶店かと思ったけど、内装がものすごく綺麗で、宝石箱みたいなショーケースがあって、そこに並んでるのは全部パンツやブラだった。ランジェリーショップというやつだったのだ。
その上、奥から出てきた店長が、なんとオードリー・ドリームウィーバー。生きていて怪我もしてないオードリーなんて、何年ぶりに見ただろう。リヨンに来てもう一月ちかくになるが、デルタがもういないんだと一番実感できたのは今日かもしれない。
オードリーさんはオルカで働いていて、ここはふだんスタッフに任せているけど、たまの休みには自分でお店に出るらしい。今日会えたのはすごくラッキーだったわけだ。
「ここにあるのはランジェリー。あなたが今身につけているものも、下着ではなくランジェリーです」
私はその一言で、すっかりぽーっとなってしまって、お店の中をゆっくり見せてもらうことにした。
オードリーさんが自分でデザインと縫製までしたっていう、目も眩むくらい細かなばら色のレースが一面にあしらわれたブラとパンツ。試着させてもらったら谷間がクッキリして、お尻がキュッと持ち上がって、なんだか肌まで綺麗になったような気がした。オリビア・スターソワーさんが昔の女優のために作ったのを復元したっていう、真っ青なコルセット。肋骨が痛くなるくらい締め上げられたけど、鏡に映ったプロポーションは私じゃないみたいだった。
オードリーさん曰く、
「誰からも見られなくても、自分自身を素敵な気分にしてくれる。ランジェリーにはそういう力があるのですわ」
だそうだ。
農場に入ったばかりだけど、仕事を増やそうかと思う。節操がなさ過ぎるだろうか。
Date:2175/09/28 21:12
指導員のシザーズリーゼさんから、作物別のマニュアルを大量にもらった。ジャガイモの病気のところ、この本が二十年前にあれば死ななくてすんだ仲間が大勢いたのにと思うと、嬉しいけれどもすこし辛くなる。
添付しておくので、村のみんなにも読んでほしい。
「フルール・ド・ポー」について聞いてみたら、みんな当たり前に知っていた。古株の隊員が言うには、オルカがまだ潜水艦を本拠地にしていた頃から、艦内の売店では下着を扱っていたそうだ。信じられない。
「カリスタは下着に縁があるな」とブラッディパンサー隊長が笑っていたが、何のことかわからない。オルカのカリスタに聞いたけど教えてくれなかった。
ナースホルン隊長にも初めて会えたのだが……上官侮辱罪に問われたくないから、どう感じたかは書かないでおく。
フルール・ド・ポーにはいろいろな人が来る。初めて入ったときは私一人だったけど、あれは相当ラッキーだったようだ。
他のお客を見ていると、まだまだ私の知らないランジェリーが色々あるとわかる。キャミソール、ブラスリップ、ソング、ガーターベルト、言葉を覚えるだけでも苦労しそうだ。
はじめ、こんな高級なものを買えるなんてみんなお金持ちなんだと思っていたが、よく見ていると店員や他のお客と話だけして、何も買わずに帰る人の方が多い。ランジェリーを見ること自体を楽しんでいるのだ。店員もそれで文句も言わないで、楽しそうに応対している。
畑仕事が長かったので、私はカリスタモデルにしては日焼けしている方だと思う。だから黒よりは白系の下着の方が似合うのではないだろうか。
買った。ランジェリーを買ってしまった。
清掃員のアルバイトを入れまくり、食事は配給だけで我慢して一ヶ月。ためたツナ缶でとうとう買った、フルール・ド・ポーのバルコネット・ホワイトヴェールブラとパンティ。
脇の下と腰の横のところが透け感のあるレースになっていて、わりときわどいデザイン。
「見せる相手もいないし、もう少しおとなしいやつでもいい」
と、選んでいる途中ちょっと怖じ気づいたのだけど、
「見せる相手ならいますわよ? あなたにその気があればですが」
オードリーさんの一言が決め手になった。確かにいる。オルカには見せる相手がいる。いるというだけで、会えるかどうかはわからないけれど。
部屋に帰ってすぐに着けてみた。最高だ。着てるだけで綺麗になった気がする。着心地もすごくて、うまく言えないけどすべすべした優しいなにかに包まれてるみたい。普段着でも下にこれを着てるだけで気持ちがアガる。オードリーさんの言ったことは本当だったんだ。
Date:2175/11/05 22:39
今日はフルール・ド・ポーで、マーメイデンのアンフィトリテさんに会った。
モジュールの知識では知っていたが、実際に会ったのは初めてだ。まだ量産化されておらず、オルカ全体でも彼女は一人しかいないんだそうだ。
初対面で新参者の私にもていねいに挨拶してくれて礼儀正しい人だと思ったが、バッグから出した下着がすごかった。いや、最初は下着だとはわからなかった、黒い糸とレースの絡みあったものに、小粒の真珠がいくつかつながっていて、ネックレスか何かだと思っていた。
「ほつれたところを見つけてしまって、直していただけないかと」
不思議そうに見ているのがおかしかったのだろう、オードリーさんが広げて見せてくれて、初めてわかった。それは布地のほぼない、とんでもないデザインのパンティで、真珠がつながった部分で大事なところを隠すようになっていたのだ。そんな下着がこの世にあるなんて知らなかった。
「隠せないからこそ役に立つこともあるのです」
と二人して笑われた。悔しいが、ランジェリーにはまだまだ知らない世界があるらしい。
店でランジェリー講座を定期的に開いているというので、申し込むことにした。
Date:2175/11/07 20:40
人間様がマルセイユから近々帰ってくるらしい。
そのせいか、朝から街の中がなんだか浮ついた空気になっている。映像では私も何度も見たけど、実物に会ったことはもちろんない。私たちに声をかけてくださることもあるっていうけど、本当かどうかわからない。おととい、アンフィトリテがあんな下着を直しに来たのも、それと関係があるのかもしれない。
オードリーさんの講座は本当にためになる。手袋の脱ぎ方だけであんなにバリエーションがあるなんて。アンフィトリテさんのやつみたいなとんでもない代物はまだ登場していない。パールクロッチと呼ぶらしいことは、あとで調べて知った。
人間様に挨拶をした。
ベランダから通りを眺めていたら下を散歩していた。あんまり普通に歩いてるから見過ごしそうになって、あわてて手を振ったら振り返してくれた。
ちゃんと私の方を見て。目を合わせて笑って。
ただそれだけなんだけど、すごく幸せな気分になれた。なんだろう、これ。
通り過ぎる人間様を見送って写真を撮ったら、いつのまにか真後ろにブラックリリスが立ってて写真をチェックされた。死ぬかと思った。
とんでもないチャンスが舞い込んできた。
オルカ本隊のカリスタモデル、カリスタ011が、来週人間様と……アレをする当番だったんだけど、戦闘任務で負傷してしまったらしい。
そういうときはいったん順番を飛ばして、怪我が治ったら最優先で入れるチケットをもらうか、同型機に代わってもらうかの二択なんだけど、011は後者を選んだそうだ。
それでリヨンにいるカリスタ全員でくじ引きをして、なんと、私が当たった。
オルカに参加してたった三ヶ月で寝室に上がれるなんて、かなりのレアケースらしい。あとで011にお礼を言いにいかないと。
初めて買った白の上下セットを着けて、鏡の前に立ってみた。今もお気に入りではあるけれど、でもこんなのじゃダメだ。もっと、もっと人間様にアピールするランジェリーじゃないと。
オードリーさんのランジェリー講座には、有料の上級編がある。大急ぎで申し込んだ。
私の知らない世界がまだまだあった。
上級編は一般向けの講座が終わった後、夕方になってから開かれる。お店で顔見知りの人も何人か受けに来ているけど、みんな気迫が違う。
オルカのベッドタイム争奪戦の厳しさがそうさせるのだろう。ただセクシーなだけでは足りないのだ。司令官に「この女がほしい、この体を抱きたい」と思ってもらうためには、普通をこえたギリギリを攻めないといけない。
自分の体の強みをどう活かすか。弱みをどんなふうに隠すか。何を隠して、何を見せるか。Oバック。Cストリング。オープンカップブラ。オールシースルー。オープンクロッチ。
ここは戦場なんだ。誰もが火花を散らしている。私はもうそこに立ってしまった。新兵だからといって言い訳はできない。
ブラはバルコネットで決まりだと思う。初めて買ったセットがバルコネットだったのはなんとなくだったけれど、いい選択だった。普通くらいしかない私のバストでも、あふれそうな感じが演出できる。ニプルをギリギリまで見せられるのも利点だ。でも下品にならないバランスをうまく見極めないといけない。
下はスーパーハイレグ。これはもう、穿き慣れているのが最大の理由。カリスタモデルの制服がハイレグというかTフロントみたいな形なので、長年これしかパンティの選択肢がなかったのだ。これにエンブロイダリーレースをたっぷりとつける。
ただ問題は、スーパーハイレグにはガーターベルトが似合わない。この時点で演出の方法がかなり限られてくる。
オープンカップブラについてもう一度考えるべきかもしれない。ベビードールと重ねると、脱がしたときに効果的らしい。
いっそレースは諦めて、シンプルなサイハイソックスと合わせて未来感を狙う?
考えれば考えるほどわからなくなる。
Date:2175/12/13 23:45
ランジェリーとは哲学だ。
裸よりいやらしくなかったら着ける意味がないのだ。
これからいよいよ、人間様の寝室へ行く。準備は完璧。そのはず。
この日記はサン・ナボール村に送っているのだということを久しぶりに思い出した。みんな見ていてほしい。きっと、村の代表に恥じない姿を見せるから。
しあわせで
すごい
きもちいいかった
みんなもはやくリヨンにくるといい
ついしん
したぎはなんでもいいです
End
>裸よりいやらしくなかったら着ける意味がないのだ。
金言過ぎる…
すべて戦闘服だ!
ヱ□下着の勉強してどんどん知識が増えていって
最後に司令官ち○ち○でバカになる流れはアルジャーノンのフォーマットで行けるなと思いました
あと以前のスレで影響を受けた作家は誰かと聞いてくれた方がいたので
若い頃に脳を焼かれたのは富野由悠季と菊地秀行
こんな風に書きたいと憧れるのは往年の壺の名スレ「ゼオラとアラドの子供マダァー?」で
怪作「ハザリア演劇シリーズ」を連載してた名も知らぬ人です
イエスですね…
だから司令官はカリスタにお礼と罰を与えなきゃならなかった
本一冊読んでワコールとピーチジョンのHP見た程度だからそんなでもない
でもフランスには下着の脱ぎ方講座があるっていらん知識を得た
フランス人は頭ピョンテにござるか?
フレンチキスとかフレンチメイドとかそういう単語もあるしな
まるでオルカの〇〇〇とか〇〇〇〇〇〇あたりが頭ピョンテみたいに言うじゃん?
>たまの休みには自分でお店に出るらしい
休みとは一体…
困ったな…当てはまるバイオロイドが多すぎて見当もつかないぞ
この一文だけでだいぶラスオリという作品を現しているな…
いいもんだな
> ついしん
> したぎはなんでもいいです
なのが最高にお腹痛い
公式でこんな感じのいっぱい見てみたい!
>食事がもらえる。殴られない。立ち止まっても怒られない。挨拶してくれる。
> その上、奥から出てきた店長が、なんとオードリー・ドリームウィーバー。生きていて怪我もしてないオードリーなんて、何年ぶりに見ただろう
こういう過去が俺の心臓をキュッてさせる
ころしてやる……ころしてやるぞレモネードデルタ
死んでた
俺バイオロイドの生産してる会社で四大企業+伝説以外で覚えてるのなんて文化人形社くらいだよ……
なんだったら四大企業の内PECSは企業連合だからその中で覚えてるのビスマルクとゴールデンフォンサイエンスくらいだ
あとち○ち○でIQ溶けるお話も大好き
きもち
よかた
です
これは全てのハーレムもの主人公に言えてしまう部屋の中の象だが
ハイクを詠め
バニースレイヤーイベを見直してくるべき
肉体年齢設定もだけどリアルで色々面倒なことになりそうだからな……
というか伝説はしてマレーシアの文化人形(PECSの系列社)にバイオロイド製造下請けさせてる
そんで文化人形のせいで企業対国家戦争の火蓋が切られることになった……