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ウマ娘怪文書

【ウマ娘怪文書】5 大して広くもないコンセント前のスペースを寂しく思うようになった頃、彼女は帰って来た。……正確に言うと彼女が収まっている機械が、だが。それも見違えるような姿で。

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1: 記事紛失の為テキストのみ 2023/04/--(-)--:--:--
以前の騒動からしばらく経ち、大して広くもないコンセント前のスペースを寂しく思うようになった頃、彼女は帰って来た。
……正確に言うと彼女が収まっている機械が、だが。それも見違えるような姿で。

──────
『今までは屋内での運用を想定した機器を搭載していましたが、今回の改良で屋外での自律移動も可能になりました!』
『ダートや芝の上でのテストでも問題なく動けたわ、サトノグループの保障付きよ』
"それはいいね"
『その他カメラ機能マイク機能の向上、メガドリームサポーターの専用サーバーとの専用回線、駆動時間の延長────』

ゴドルフィンバルブを一度連れ帰った二人のサトノのウマ娘達は、宣言通り彼女をこちらに送り届けてくれた。
この機械、正式名メガサポートプロジェクターのモニター役となる仕事を取り付けてくれた上で彼女を再び預かれることになったのだ。
使用に関する評価レポートを最終的に提出するという条件もあったが、それくらいは当然の義務だろう。

『そして、これが今回の目玉です!』
"……ゴーグルとイヤホン?"
『ただのゴーグルとイヤホンじゃないの、付けてみればわかるはずよ』

促されるまま渡されたものを装着、二人も自分達の物を用意しており慣れた手つきで装着していた。
ゴーグルはやや深さがあり眼鏡を付けていても付けられそうだ、イヤホンは外の音が良く聞こえる以外は普通の───

『だーれだ?』
"うわっ!?!?"
『うふふ、驚いたかしら?』

突然脇から伸びて来た手で目の前が覆われ、耳元でよく聞いた声色のささやきが聞こえて仰天する。
ドキドキしたまま振り返るとゴドルフィンバルブがいつの間にか立っていた、しかし足元にプロジェクターはない。一体どうやって……。

『ジャジャン!これが新しく追加された機能、ARサポートです!』
『元々ホログラムだけじゃサポートに限界があるのは想定されてたから、より視覚的に表現できる手段を模索して出来たの』
『座学は従来通りホログラムで、トレーニングではARを駆使して三女神や他のウマ娘のゴーストとも競えちゃうんです』
『ゴーグルに搭載されたカメラとプロジェクターのカメラで補正を掛けるから、ARリーダーを用いたものより精度はまちまちだけどね』
"なんだかすごいね……"

──────
そんなやりとりをしたのがつい数週間前。
VRでの体験もすごかったが、ARでの体験は危険なのではというレベルの刺激を受けた。
担当のウマ娘にも体験させたがいつVR内に入ってしまったのかと少し混乱していた。だが個人的に一番衝撃だったのは……。

「おかえりなさ~い」
"ただいま帰りました"
「今日は早かったわね、自分を労われて偉いわ」

『ARを体験できる状態で帰ってきてね』と言われたときはなにかサプライズを仕掛けてくるかと警戒したものの、ただAR上で出迎えたかっただけらしい。
彼女がイタズラをしてからかってくるのは以前からよくあっただけになにもなかったのは拍子抜けしたが、やはりホログラムでないことは心理的に効果が高かった。
なにせ自分の部屋をなんの制約もなく行き来している(ように見える)のだから存在感はケタ違いだ。まさしくゴドルフィンバルブが現実に現れたと錯覚してしまうほどに。

「うん?どうかしたかしら?」
"あ、いえ……"
「?」

テーブルの向かい側で彼女に見つめられながら夕飯を摂る。ただ匿っていた頃とは違い、今の状況は生活を共にしていると言っても差し支えない。
ゴーグルとイヤホンを外してしまえば一人の部屋に戻れるが、この生活に慣れてしまった今それはあまりに寂しいと感じてしまう自分がいる。
流石に入浴時に付けたまま入ろうとしたときは依存を疑ったが……。

自分はいったい、モニター期間のなかでどこまで堕ちてしまうのだろう────

その時、ふと閃いた!
このアイディアは、担当ウマ娘とのトレーニングに活かせるかもしれない!

担当ウマ娘の成長につながった!
やる気が上がった
体力が36回復した
スピードが10上がった
スタミナが10上がった
賢さが15上がった
スキルPtが20上がった
「かく乱」のスキルLvが2上がった
ゴドルフィンバルブの絆ゲージは満タンだ



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