1: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:07:27
トレーナーに今週イッパイは休みって言われて最初はあざーって感じだったけど何日かするとめっちゃヒマになった。
シチーは仕事、ヘリオスとパーマーはチャンネルでやるなんかの準備、コーハイの子たちもデビューして忙しくしてるから一緒に遊びに行くヒマもなくてマジテン下げ。
仕方ないからひとりでコスメでも見に行こうかなーって学園の門出たらデカい荷物抱えたトレーナーがいた。「トレーナーさんじゃーん、なにその荷物」
「おおジョーダン、ちょっと実家に顔出そうと思って」
「里帰りすんの?なんかオモシロそーじゃん、ついてっていい?」
「え……いや、面白いことはないと思うけど……」
「いーじゃんいーじゃん、休みもらったけどあたしヒマで死にそーなんだわ。休ませたせきにん取れし」
シチーは仕事、ヘリオスとパーマーはチャンネルでやるなんかの準備、コーハイの子たちもデビューして忙しくしてるから一緒に遊びに行くヒマもなくてマジテン下げ。
仕方ないからひとりでコスメでも見に行こうかなーって学園の門出たらデカい荷物抱えたトレーナーがいた。「トレーナーさんじゃーん、なにその荷物」
「おおジョーダン、ちょっと実家に顔出そうと思って」
「里帰りすんの?なんかオモシロそーじゃん、ついてっていい?」
「え……いや、面白いことはないと思うけど……」
「いーじゃんいーじゃん、休みもらったけどあたしヒマで死にそーなんだわ。休ませたせきにん取れし」
トレーナーはめちゃくちゃ困った顔で悩んでからオッケーしてくれた。んで「実家に連絡させてくれ」って言って電話してる。
2: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:08:38
「あぁもしもし母さん?…………いや大丈夫、予定通り帰れるよ」
「実は帰るとき一人増えるんだけど大丈夫かな…………い、いや違うって、担当してるウマ娘だよ」
「……だからそんなんじゃないって…………とにかくよろしく、じゃあまた家で」なんか電話し終わったトレーナーはひろーこんぱい?してた、きびしーうちなんかな。
とにかく問題はなくなったみたいだからあたしもちゃちゃっと寮に戻って泊りのセットバッグに詰めてトレーナーについてって駅に来た。
行先はわかんねーから切符とか色々メンドーなのはトレーナーに任せた。新幹線に乗ってトレーナーの実家のことが気になったから質問する。
「実は帰るとき一人増えるんだけど大丈夫かな…………い、いや違うって、担当してるウマ娘だよ」
「……だからそんなんじゃないって…………とにかくよろしく、じゃあまた家で」なんか電話し終わったトレーナーはひろーこんぱい?してた、きびしーうちなんかな。
とにかく問題はなくなったみたいだからあたしもちゃちゃっと寮に戻って泊りのセットバッグに詰めてトレーナーについてって駅に来た。
行先はわかんねーから切符とか色々メンドーなのはトレーナーに任せた。新幹線に乗ってトレーナーの実家のことが気になったから質問する。
「そういやトレーナーさんの実家ってどこなん?」
「辺鄙な田舎、なにもない田舎だよ。大きい道路の近くだからコンビニはあるけど周りは畑と田んぼばっかりで友達と遊べるような場所はなかったな」
「ふーん、なんかトレーナーさんっぽい」
「ははは……」
3: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:10:08
その後も色々聞いて、最後に実家に戻ったのは大学生の時以来とか、親からもういい歳なんだからいい人見つけろって言われてるとかそんな感じの話。
3時間くらいで目的の駅に着いて今度はバスで移動。トレーナーが言ってた通り駅から遠ざかってくと窓の外に見えてたショップとかビルは少なくなってって田んぼとか畑ばっかりになってった。
そーやってぼんやり外見てたらだんだんキンチョーしてきた。
やば、あたしトレーナーのお父さんお母さんと初めて会うじゃん……。今日のメイクちょい濃い目なんですけど……ケバいとか思われんかな……。
キンチョーしてたらもう降りるとか言われてテンパってバッグバスん中に置いていきそうになったしチョーハズい……。「あはは、もしかして緊張してるのか?」
「……うっせ」
「大丈夫だよ。別に厳しい親ではないし、テレビでジョーダンのことも見て知ってるから」
「んんーー……!」
3時間くらいで目的の駅に着いて今度はバスで移動。トレーナーが言ってた通り駅から遠ざかってくと窓の外に見えてたショップとかビルは少なくなってって田んぼとか畑ばっかりになってった。
そーやってぼんやり外見てたらだんだんキンチョーしてきた。
やば、あたしトレーナーのお父さんお母さんと初めて会うじゃん……。今日のメイクちょい濃い目なんですけど……ケバいとか思われんかな……。
キンチョーしてたらもう降りるとか言われてテンパってバッグバスん中に置いていきそうになったしチョーハズい……。「あはは、もしかして緊張してるのか?」
「……うっせ」
「大丈夫だよ。別に厳しい親ではないし、テレビでジョーダンのことも見て知ってるから」
「んんーー……!」
よゆーぶってるトレーナーにちょっとイラッとして、先に行く背中をバッグで軽く叩いた。女子はもっと優しく扱えっての。
4: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:11:12
こっからは歩きみたいでダル〜とか思ってたけど、5分もしないで「見えてきたぞ」ってトレーナー。マジで?早くない?
……確かに田んぼのド真ん中にある田舎の家って感じのところで、けど近くのデカい道路で車がビュンビュン走ってる。なんか変なところ。
つーかなんか庭に桜の木あるんですけど、ふつーにいい家じゃね?「ふうやっと着いた、お疲れ様ジョーダン」
「ういー……すげーね、桜」
「そうだろ?実はこれが見たくて帰ろうと思ったんだ」
「へー、なんか特別なやつなの?これ」
「特別ってほどじゃないけど、あっちじゃあまり見なかった種類の桜なんだ」
……確かに田んぼのド真ん中にある田舎の家って感じのところで、けど近くのデカい道路で車がビュンビュン走ってる。なんか変なところ。
つーかなんか庭に桜の木あるんですけど、ふつーにいい家じゃね?「ふうやっと着いた、お疲れ様ジョーダン」
「ういー……すげーね、桜」
「そうだろ?実はこれが見たくて帰ろうと思ったんだ」
「へー、なんか特別なやつなの?これ」
「特別ってほどじゃないけど、あっちじゃあまり見なかった種類の桜なんだ」
トレーナーは地面に荷物置いて桜の木を眺めてる。言われてみるとさくらんぼみたいな花に茶色い葉っぱが付いててあんまり映えって感じじゃない。
ぼけーっと木を眺めてたらトレーナーはなんか地面から拾ってこっちに見せて来た。
5: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:12:54
「こっちがソメイヨシノの花びら、んでこっちのポンポンみたいなのが今咲いてるヤエザクラの房。ソメイヨシノはもう葉っぱだけになっちゃってるな」
「ふーん、なんかあんまり綺麗って感じじゃないね」
「まぁそうだな、それに縁起が悪いって言われたりもするかな」
「悪いの、縁起?」
「うん、菊桜って呼び方の他に牡丹桜って呼び方もあってね。牡丹の花が落ちる様子が首が落ちるように見えるから昔の武士にとってはあんまりいい花じゃなかったんだ」
「ヤエザクラもこうやって牡丹みたいにまとまって落ちるから同じような扱いだったらしいよ」
「……なんか、聞いてるとただのヤバい桜じゃね」ストレートに思ったことを言ったらトレーナーは笑って持ってた花を地面に戻した。あたしのネガ発言はあんまり気にしてないみたい。
「ふーん、なんかあんまり綺麗って感じじゃないね」
「まぁそうだな、それに縁起が悪いって言われたりもするかな」
「悪いの、縁起?」
「うん、菊桜って呼び方の他に牡丹桜って呼び方もあってね。牡丹の花が落ちる様子が首が落ちるように見えるから昔の武士にとってはあんまりいい花じゃなかったんだ」
「ヤエザクラもこうやって牡丹みたいにまとまって落ちるから同じような扱いだったらしいよ」
「……なんか、聞いてるとただのヤバい桜じゃね」ストレートに思ったことを言ったらトレーナーは笑って持ってた花を地面に戻した。あたしのネガ発言はあんまり気にしてないみたい。
6: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:13:58
「でも、俺は普通の桜より好きなんだ」
「ヤエザクラは遅咲きの桜で、ソメイヨシノたちが散るころに咲き始めるんだ。それくらいの頃には新しいクラスで授業が始まったりして、実家暮らしの時は咲く度に新しい生活が始まるんだってそう実感させてくれたりね」
「……ジョーダンが秋の天皇賞に勝ったとき、こいつの事が思い浮かんだんだよ。他のウマ娘達が才能を開花させる中で、俺たちは必死にもがいて、ようやく掴んだ勝利だった」いつもの熱血っぽい口調で話してるトレーナーは、なんだか目が潤んでるように見える。
なんだよ、アンタも苦しかったんじゃん……。ちゃんと言えよ、バカ。
「ヤエザクラは遅咲きの桜で、ソメイヨシノたちが散るころに咲き始めるんだ。それくらいの頃には新しいクラスで授業が始まったりして、実家暮らしの時は咲く度に新しい生活が始まるんだってそう実感させてくれたりね」
「……ジョーダンが秋の天皇賞に勝ったとき、こいつの事が思い浮かんだんだよ。他のウマ娘達が才能を開花させる中で、俺たちは必死にもがいて、ようやく掴んだ勝利だった」いつもの熱血っぽい口調で話してるトレーナーは、なんだか目が潤んでるように見える。
なんだよ、アンタも苦しかったんじゃん……。ちゃんと言えよ、バカ。
「どれだけ遅れたって、ちゃんと努力は実を結ぶんだって君は証明してくれた」
「君が教えてくれたんだ、ジョーダン」
「……うん」
「一緒にこの桜を見ることが出来て、嬉しいよ」
7: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:14:24
「……あんた、なに庭で突っ立ってんの」
「っ!?母さんか、驚かすなよ……」
「なんか外で話し声が聞こえると思ったら大事な担当ちゃん立たせてんじゃないわよ」ちょ、トレーナーのお母さんいたの!?なんか普通のおばさんっぽいけど失礼なことできん……!
ヤバ、なに言うか考えてなかった……。まずあいさつ?お世話になってます的な奴でいいんか?
「っ!?母さんか、驚かすなよ……」
「なんか外で話し声が聞こえると思ったら大事な担当ちゃん立たせてんじゃないわよ」ちょ、トレーナーのお母さんいたの!?なんか普通のおばさんっぽいけど失礼なことできん……!
ヤバ、なに言うか考えてなかった……。まずあいさつ?お世話になってます的な奴でいいんか?
「あーえと、えと……トレーナーサンにはオセワニナッテオリマスデス」
「いえいえ、うふふ。この子お父さんに似て頑固者だから大変でしょ?デリカシーないこととか言われたりしてない?」
「ちょっと母さん……!」
「あ、あたしのほうが馴れ馴れしいんでヘーキです」
8: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:15:09
この後トレーナーのお父さんも帰ってきてまた騒がしくなった。家に天皇賞ウマ娘がいるーってめちゃくちゃはしゃいでた。
けっきょく、ヒマになりそうなこの2日間は全くヒマのない二日間に変わった。
……楽しかったし、そのうちまた、桜見に来れたらいいな。
けっきょく、ヒマになりそうなこの2日間は全くヒマのない二日間に変わった。
……楽しかったし、そのうちまた、桜見に来れたらいいな。
9: s 2023/04/23(日)21:16:26
庭の八重桜眺めてたらジョーダンのことが思い浮かんだので
10: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:19:23
早く結婚の挨拶を
11: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:21:53
いい庭だな
13: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:44:29
桜の木を植えて世話ができる家ってそれなりにいいとこの坊っちゃんだなトレーナー
15: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:48:01
かわいいなあジョーダン
16: 名無しさん(仮) 2023/04/23(日)21:59:22
母から帰省の催促がひっきりなしになるやつ