そのため生徒の中には深い仲のトレーナーの部屋に入り浸るなどの道徳的な問題が稀によくあった
これを危惧した学園経営陣は学生寮の外泊条件を厳格化。夜間巡回も強化し、学園の風紀は糺された……かに見えた
『トレーナーさん。起きてください、朝ですよ。トレ』
「……んん……朝、か」
ある朝。トレーナー寮の一室で一人の青年が目覚まし時計を掴み、のそりと起き上がった
トレーニングメニューを考えるうち夜更しをしてしまった彼は中央のトレーナー。ニシノフラワーの担当である
半分眠っている体を強引に起こし、染み付いた習慣に則り朝の支度を始めた、その時であった
『トレーナーさん、寝癖ついてますよ。ほら、後ろのほう』
「ふぁ……ん?どこ……?」
『ほら、頭の後ろのほうです』
「ほんとだ。昨日乾かさないで寝ちゃったからな……ありがとう」
鏡に向かって礼を伝える姿は素直でちょっと頼りない世間の評判通りだが、問題はそこではない
トレーナー寮は基本個室で、彼には連れ込む相手もいない。彼以外、この部屋には誰もいないということだ
担当ウマ娘と深い仲にあるようなトレーナーたちにも同様の被害が相次ぎ、新たな問題となりかけていた
「ふふっ。トレーナーさんったら、まだちょっと寝癖残ってます。朝会ったとき直してあげないと」
「フラワーさん、フラワーさん、私のマスターのチャンネルにも接続してください。フラワーさん」
「わわ、わかりま……けほけほ……いいですか?くれぐれも)
(見つかってはならない……ですね。シークレットモード、起動します)
また、時を同じくして何人かのトレーナーの部屋から彼らも見覚えのないの見守りカメラが発見される事件が発生していた
同カメラの型番・購入元を調査したところ、トレセン学園にて一括購入した中から所在不明になっていたものであることが判明
学園の機電担当者は『知らない。我々は彼らの部屋に設置してないし、生徒たちにアカウントを提供してもいない』と関係を否定している
>学園の機電担当者は『知らない。我々は彼らの部屋に設置してないし、
だよね…
>生徒たちにアカウントを提供してもいない』と関係を否定している
もしもし?
妙だな…
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(こんな音だっけ…こんな音だったかも…)
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我々は学園のSEに取材を試みた