1: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:14:42
「さて…トレーナー君。私が君をここ…生徒会室に呼び出した理由は分かっているかな?」
会長席に座り頬杖をついたルドルフがトン、トンと机を指で叩いてみせる
当初何事かと思っていたのだが
エアグルーヴやナリタブライアン達他のメンバーの姿は見えない
とすると俺自身が何らかの学園に関わる問題を起こしたというよりも
これは恐らくシンボリルドルフが個人的な用件で召喚したという事だ
何より私用な件であればトレーナー室や寮の俺の部屋でもいい
つまり彼女は最近の俺の行動で気に入らない事があり
そこに釘を刺すか牽制をしておきたい。恐らくはこの辺りだろう
「んー…?何かあったかな…」
俺は惚ける。実の所いくつか思い当たりフシはあったが
それを即座には答えない。彼女は聡く賢いからだ
すぐにそれと反応しないのは意外と大事な事で
底を悟らせず、かつ相手の出方もうかがうのにも向いている
多少いらだったのか彼女の机を叩くスピードが少しばかり速くなった
会長席に座り頬杖をついたルドルフがトン、トンと机を指で叩いてみせる
当初何事かと思っていたのだが
エアグルーヴやナリタブライアン達他のメンバーの姿は見えない
とすると俺自身が何らかの学園に関わる問題を起こしたというよりも
これは恐らくシンボリルドルフが個人的な用件で召喚したという事だ
何より私用な件であればトレーナー室や寮の俺の部屋でもいい
つまり彼女は最近の俺の行動で気に入らない事があり
そこに釘を刺すか牽制をしておきたい。恐らくはこの辺りだろう
「んー…?何かあったかな…」
俺は惚ける。実の所いくつか思い当たりフシはあったが
それを即座には答えない。彼女は聡く賢いからだ
すぐにそれと反応しないのは意外と大事な事で
底を悟らせず、かつ相手の出方もうかがうのにも向いている
多少いらだったのか彼女の机を叩くスピードが少しばかり速くなった
2: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:14:52
成程。気づいて欲しい、こちらから言い出して欲しい案件という訳だ
いくつかあった選択肢が消え、答えが出たので改めて口にする
「ナイスネイチャのトロフィーの件なら、俺達のトレーニングに支障をきたさない範疇だとは思うが」
「ああ…そう、そうだな。確かにその通りだ」
机を叩く指が止まると彼女は頬杖をやめて両手を机の上で組んでみせる
ビンゴ。あの件か…
「ナイスネイチャのトレーナーが彼女の為、手製のトロフィーを作っている事
そしてより独創的なアイディアに君を始め他のトレーナーが協力しているのは私も聞いた
しかしいささか入れ込み過ぎではないかな?」
「いや、まあ楽しいからな」
「ほう…」
これは本心だった。実の所共に併走をするトレーナー位としかああして
他のトレーナーの人となりを知る機会というのは大して多くない
それにちょっとした遊び心で共感を得られるのは一種息抜きと化していた
企画を纏める側に回っているのはむしろルドルフら生徒会の見て来た影響が大きい
いくつかあった選択肢が消え、答えが出たので改めて口にする
「ナイスネイチャのトロフィーの件なら、俺達のトレーニングに支障をきたさない範疇だとは思うが」
「ああ…そう、そうだな。確かにその通りだ」
机を叩く指が止まると彼女は頬杖をやめて両手を机の上で組んでみせる
ビンゴ。あの件か…
「ナイスネイチャのトレーナーが彼女の為、手製のトロフィーを作っている事
そしてより独創的なアイディアに君を始め他のトレーナーが協力しているのは私も聞いた
しかしいささか入れ込み過ぎではないかな?」
「いや、まあ楽しいからな」
「ほう…」
これは本心だった。実の所共に併走をするトレーナー位としかああして
他のトレーナーの人となりを知る機会というのは大して多くない
それにちょっとした遊び心で共感を得られるのは一種息抜きと化していた
企画を纏める側に回っているのはむしろルドルフら生徒会の見て来た影響が大きい
3: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:15:05
「何より俺や君の理想である『ヒトとウマ娘が笑い合う世界』の為に
必要な事だと感じたから協力しているに過ぎない。無論日々の激務の中でやっている事だ
俺の体調やコンディションについて心配してくれていたり
もし君が不快に思うのであればこれ以上の介入を避けるが…」
「あ、いやすまない。そういう事ではないんだ」
「…ん?」
と、ルドルフは何か慌てたように先程までの硬かった調子を崩し
何やらバツが悪そうに手をぱたぱたと振ってみせる
「その…なんだ。あれだよトレーナー君。順序が逆というかだな」
「逆とは?」
「や…その…ほら」
どうやらこちらから気づいて惜しいようだが、生憎とんと言いたいことが分からない
やがて根負けしたのか彼女は立ち上がり、こちらに詰め寄ってきた
「トロフィーだ、トロフィー」
「トロフィー?」
必要な事だと感じたから協力しているに過ぎない。無論日々の激務の中でやっている事だ
俺の体調やコンディションについて心配してくれていたり
もし君が不快に思うのであればこれ以上の介入を避けるが…」
「あ、いやすまない。そういう事ではないんだ」
「…ん?」
と、ルドルフは何か慌てたように先程までの硬かった調子を崩し
何やらバツが悪そうに手をぱたぱたと振ってみせる
「その…なんだ。あれだよトレーナー君。順序が逆というかだな」
「逆とは?」
「や…その…ほら」
どうやらこちらから気づいて惜しいようだが、生憎とんと言いたいことが分からない
やがて根負けしたのか彼女は立ち上がり、こちらに詰め寄ってきた
「トロフィーだ、トロフィー」
「トロフィー?」
4: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:15:16
「率直に言えば、私に対する『ご褒美』が一向に出てこないのは何故かと聞いているんだ」
「…あー…」
そういえばルドルフがレースで勝つ度、そんな話が出ているのを思い出した
何がいいかと考えあぐねた結果毎回後ろ倒しになっていた気がする
「ホープフルステークス、宝塚記念、ジャパンカップ、大阪杯、ああ宝塚記念は2回だな
ゆうに通算5回程はお流れになっていると思うんだが」
「よく覚えているな」
「当然だろう!?ああいやすまない声を荒げてしまったな…とにかくだ
一日千秋の想いで待っていたにも関わらず待ち人来たらず、当人は他のトレーナーが
ご褒美をプレゼントする手助けをしているとなれば私としても流石に気が気でいられないというかな
いや本当に何を言っているんだろうな私は、こんな所に君を呼び出したりして…
だがこれだけは分かって欲しいんだ。私は一度見た相手の顔は忘れないし
一度した約束であれば忘れない。特に君としたものなら余計に、な」
「すまなかったな」
「あ、ちょっとよしてくれトレーナー君…けして責めている訳ではないんだ」
「…あー…」
そういえばルドルフがレースで勝つ度、そんな話が出ているのを思い出した
何がいいかと考えあぐねた結果毎回後ろ倒しになっていた気がする
「ホープフルステークス、宝塚記念、ジャパンカップ、大阪杯、ああ宝塚記念は2回だな
ゆうに通算5回程はお流れになっていると思うんだが」
「よく覚えているな」
「当然だろう!?ああいやすまない声を荒げてしまったな…とにかくだ
一日千秋の想いで待っていたにも関わらず待ち人来たらず、当人は他のトレーナーが
ご褒美をプレゼントする手助けをしているとなれば私としても流石に気が気でいられないというかな
いや本当に何を言っているんだろうな私は、こんな所に君を呼び出したりして…
だがこれだけは分かって欲しいんだ。私は一度見た相手の顔は忘れないし
一度した約束であれば忘れない。特に君としたものなら余計に、な」
「すまなかったな」
「あ、ちょっとよしてくれトレーナー君…けして責めている訳ではないんだ」
5: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:15:38
おろおろしだすルドルフだったが頭を下げずにはいられなかった
実際迂闊だったのは自分で、期待してくれていた彼女にこれは申し訳ない
「すぐに準備するから、もう暫く待っていて欲しい」
実際迂闊だったのは自分で、期待してくれていた彼女にこれは申し訳ない
「すぐに準備するから、もう暫く待っていて欲しい」
そして後日、トレーニングを終えた彼女をトレーナー室に呼び止めていた
「すまない。随分と待たせてしまったな」
「いやいいんだ。私としても急かしたりするのは不本意だったからな
本来であれば不意を打たれて驚きもあったら…と淡い事も考えていたし
ああだが実はあれから少々眠りが浅くてな、無論寝不足などにはなっていないんだが
それでもほら、こういうのはついな、色々と予測をしてしまうものだろう?」
恐らくはしゃべり続けていないと落ち着かないのだろう
目の輝きがまるでハルウララのようだった、はしゃいでいる
物凄くはしゃいでいる。鼻息があらい。めっちゃかかっとる
「じゃあこれ。遅くなって悪かったが貰ってくれ」
6: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:15:51
いささか緊張しながらも胸元から薄い紙の包みを取り出す
彼女がそれを空けると中からとあるチケットが出てきた
「これは…一流ウマ娘もご用達の高級ニンジンシュラスコの…招待券か」
「ああ。キングヘイローなんかにも聞いたから間違いない
ペアだから今度一緒にいかないか?最近トレーニングやらで忙しかったが
お互い少し時間を作って…」
「あ、ありがとう…」
様子がおかしい。じっと招待券を見ていたルドルフの声が次第に小さくなり
そしてぽつ、ぽつと券の上に水滴が零れ落ちる
「あ…え?ルドルフ」
「あ…あれ…いや…これは」
彼女がそれを空けると中からとあるチケットが出てきた
「これは…一流ウマ娘もご用達の高級ニンジンシュラスコの…招待券か」
「ああ。キングヘイローなんかにも聞いたから間違いない
ペアだから今度一緒にいかないか?最近トレーニングやらで忙しかったが
お互い少し時間を作って…」
「あ、ありがとう…」
様子がおかしい。じっと招待券を見ていたルドルフの声が次第に小さくなり
そしてぽつ、ぽつと券の上に水滴が零れ落ちる
「あ…え?ルドルフ」
「あ…あれ…いや…これは」
7: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:16:06
いつしか大粒の涙をこぼしシンドリルドルフが涙していた
「違うんだ。これ…ちが、ちがう いや嬉しいんだ。勿論
けどっ…本当はわたじっ …ああいうのがっ… よぐでっ
ネイヂャがっ… ナイズネイヂャが おぢがびの"っ どろヴぃー もらっだでぎびでっ
いいなっでおぼっでで…
だっ… だがらっ ごれはわだぢが わるぐでっ…
がっごづけないでっ… ぢゃんどっ…いべばっ…よがっ…!」
ぐしゅぐしゅと泣きづける彼女をもう見ていられる
俺はそのまま彼女を抱きしめた
今回は本当にトレーナー室で良かった
まあ、外に声は漏れてしまったかもしれないが…
「違うんだ。これ…ちが、ちがう いや嬉しいんだ。勿論
けどっ…本当はわたじっ …ああいうのがっ… よぐでっ
ネイヂャがっ… ナイズネイヂャが おぢがびの"っ どろヴぃー もらっだでぎびでっ
いいなっでおぼっでで…
だっ… だがらっ ごれはわだぢが わるぐでっ…
がっごづけないでっ… ぢゃんどっ…いべばっ…よがっ…!」
ぐしゅぐしゅと泣きづける彼女をもう見ていられる
俺はそのまま彼女を抱きしめた
今回は本当にトレーナー室で良かった
まあ、外に声は漏れてしまったかもしれないが…
8: オワリ 2021/07/01(木)19:16:22
「…おや?」
エアグルーヴが執務に取り組むシンボリルドルフの机であるものを発見し
それに気づいた彼女もまたクスッと笑ってみせた
「会長、これは折り紙…ですか?」
「ああ。そうだ少々この間のレースで私が勝った時にトレーナー君が作ってくれてな
君も知っているだろう?ネイチャのトレーナーが彼女に作っていると」
「ええ。聞いた事がありますが…」
「まあそういう顔をするな、子供っぽいと思うんだが彼の粋な計らいだしな
不格好にすぎるが気持ちを無下にする訳にもいくまい」
「いえ…良い、贈り物だと思いますよ」
エアグルーヴが執務に取り組むシンボリルドルフの机であるものを発見し
それに気づいた彼女もまたクスッと笑ってみせた
「会長、これは折り紙…ですか?」
「ああ。そうだ少々この間のレースで私が勝った時にトレーナー君が作ってくれてな
君も知っているだろう?ネイチャのトレーナーが彼女に作っていると」
「ええ。聞いた事がありますが…」
「まあそういう顔をするな、子供っぽいと思うんだが彼の粋な計らいだしな
不格好にすぎるが気持ちを無下にする訳にもいくまい」
「いえ…良い、贈り物だと思いますよ」
会長の目元が赤い事には触れず、エアグルーヴは素直な気持ちを口にした。
9: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:18:33
泣くほどか…
10: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:19:25
お手製のものはあたたかあじが違うからな
11: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:21:27
何だかんだ大人っぽいけどまだ高校生?だからな…
12: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:23:35
…会長って高校生なのかな…?
13: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:24:11
肩書上高校生だから高校生なんだろう…
14: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:24:15
ちょいちょい誤字ってるけど
泣いてる会長は抱きしめたくなるよな
泣いてる会長は抱きしめたくなるよな
15: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:25:54
エアグルーヴは空気が読めるな…
17: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:29:19
ネイチャのお手製トロフィーはキントレの伝説的スカウトと並んで全ウマ娘が一度は体験してみたいと憧れるシチュエーション
19: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:30:56
>>17
初回はやっぱりこんなのじゃダメだよな…と恥ずかしくなって渡すのやめようとしたというエピソード付き
初回はやっぱりこんなのじゃダメだよな…と恥ずかしくなって渡すのやめようとしたというエピソード付き
22: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:33:23
>>19
これのおかげでショボくない?みたいな意見も封殺する無敵具合
これのおかげでショボくない?みたいな意見も封殺する無敵具合
18: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:30:16
ロボに変形するやつとかライトセーバーみたいになるやつが欲しくて泣いてるパターンだと途端におもちゃをねだる子供みたいになってまた違う趣があるな
20: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:32:27
変形しないの!?
21: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:32:28
内容ではなく彼ピが気持ち込めて作ってくれた何かはいくつになっても嬉しいし憧れるさ…
23: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:33:32
トレーナーが公然の場でウマ娘にアプローチを掛けるシーンはほとんどのウマ娘が注目しております
24: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:35:01
実際ネイチャのトロフィーの件が学内に広まったら私も私もってなるウマ娘は多いだろうな
25: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:40:13
泣いちゃうぐらいなら可愛いもんさ
ホンモノは地団駄踏んで転がりまわる
ホンモノは地団駄踏んで転がりまわる
26: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:48:14
ネイチャのトロフィーとキングのスカウトは伝説になっててもおかしくない
27: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:49:49
会長が泣いてる姿は四五れるがひどい目に合わせたくはない
35: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)20:00:10
>>27
つまり喜ばせて泣かせるしかない…
つまり喜ばせて泣かせるしかない…
28: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:50:05
会長だって他のトレーナーが真面目なトレーニングスケジュール出してきたのに
自分の横顔の写真出してきた新人選ぶんだから相当なスカウトだよ
自分の横顔の写真出してきた新人選ぶんだから相当なスカウトだよ
29: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:51:10
会長だって思春期の女の子なんだからメンタルケアは必須だよね…
31: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:53:55
>>29
育成ストーリーだと転ぶけど生徒会のみんなはそれでもついてきてくれるって立ち上がるからな…
育成ストーリーだと転ぶけど生徒会のみんなはそれでもついてきてくれるって立ち上がるからな…
32: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:56:46
いやまぁ年頃でずっと寄り添ってきた相手が自分をおいて他の子に入れ込んでる(ように見える)ならそりゃ不安にもなろう
33: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:57:37
>>32
これが束縛と独占力…
これが束縛と独占力…
34: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)19:57:49
>>32
でも作ってるのが変形合体デラックストロフィキングだぜ?
でも作ってるのが変形合体デラックストロフィキングだぜ?
36: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)20:00:36
>>34
ものはともかく何人も顔付きあわせて一人の女の子の為に時間使ってる訳だし
ものはともかく何人も顔付きあわせて一人の女の子の為に時間使ってる訳だし
38: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)20:01:33
ただ自分にご褒美の話はして音沙汰無いまま
他のトレーナーとバカ企画立ち上げて
合体変形トロフィーロボの関節ギミックについて熱く語ってただけなのにどうして…
他のトレーナーとバカ企画立ち上げて
合体変形トロフィーロボの関節ギミックについて熱く語ってただけなのにどうして…
42: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)20:08:17
>>38
羨ましい……
私のトレーナーなのに……
羨ましい……
私のトレーナーなのに……
39: 名無しさん(仮) 2021/07/01(木)20:02:38
ウオッカビコペみたくウマ娘側も参加すればいいのでは?