ウマ娘寮の寮長二名に呼び出されたアタシはしていたされた時間に会議室の扉をたたいた
「バンブーメモリーっス、入るっス!」
その掛け声とともに部屋に入ったアタシを待っていたのは、フジ寮長とヒシ寮長の二名のみ
「やぁ、バンブー、来てもらって済まないね」
「済まないねぇ、どうしても風紀委員長が必要な案件なんだよ」
アタシを出迎えた二人の言葉に嫌な予感を感じた
「それで、今日は何の用っス?」
困ったような顔をしたフジ寮長、ばつの悪そうな顔をしたヒシ寮長にそうアタシは言いながら二人の対面へと座るのだった…
バンブーメモリー 著
アタシ達の風紀委員会は生徒を指導する立場上、多くの生徒と接することがあるっス
その中には風紀的な指導だけじゃなく、様々な生徒達との相談やあるいは折衝も行うのは常っス
特に寮を束ねる両寮長には、ルール作りから運用あるいは問題行動等の相談や折衝をよく行う関係っス
立場上ぶつかることは多いっスけど、お互い「生徒に良い環境を」と動いているため良好な関係を保っているっス
・・・しかし、この二人はいわゆる掛かりになることがあるので油断できないというのがアタシの評価っス
「いや、普通に風紀委員長としてNOを突きつけるっス」
二人からの話を聞いたアタシはこう答えた
「いや、バンブーの立場もわかるんだけどねぇ、ヒシアマ姐さんを助けると思って認めてくれないかねぇ」
「ポニーちゃんたちを助けることにつながるんだ、認めてほしいね」
「だからダメっスよ、生徒にデートしてもいいと認めるのは!」
そんなアタシの拒絶に、初めから拒絶されるのを分かっていたかのように、話をつづける二人
「バンブー、よく考えてほしい、今ポニーちゃんたちはいわゆる掛かりになってて、色めき立っていてわかるだろ?」
「ヒシアマ姐さんとしては今の状況で放置するのは危険だと思うんだよねぇ、例の事件もあったことだし」
あの事件以来、掛かりになった生徒がトレーナーを狙って行動することが相次いでいる
トレーナー寮に大量にあった、侵入するための三角割りの痕跡などが事件以来急増しているのだった
「要するに、ルールを作って堂々とデートさせてガス抜きをさせたいそういう事っスね?」
「そう、ポニーちゃん達も実際にデートできれば落ち着くと思うんだよね」
「で…アタシを呼んだのは、そのルール作りを手伝わせて承認させようってことっスね」
「あはは…そう、そういうことだねぇ」
アタシはため息をつき二人の提案に乗ることとした、どうせ本当は自分たちのトレーナーと公然とデートしたいのはわかりきってるっス
しかし、実際生徒たちの行動がエスカレートしていて、トレーナー達からも対策を頼まれていた
検討しなければならない理由はあるのだ
__しかし、ルールを作ってデートさせるって言うのは、以前アタシも考えて断念していたのだった
「いや、それだとポニーちゃんたちから不満は出るだろうからね、あくまで問題行動を禁じる感じにした方が良いと思うよ」
「そうそう、それに鉢合わせになったら気まずいしさ、ヒシアマ姐さんとしてもプライバシーは考えたいねぇ」
うわ、この人たちこういう時はコンビネーションが良いっスね
「異論がないなら、デートスポットごとに問題行動が起きてないか確認していこう」
「バンブー、じゃあゲームセンタから行こうぜ、情報提供を頼むよ」
・・・この人たち初めからイニシアチブを取りっぱなしにするつもりっッスね
ならば…
「まず、言っておくっスけど、風紀委員長としてはゲームセンターはトレーナーとの利用は制限どころから推奨したいところっスね」
「「え…」」
あっ固まった
なのでトレーナーとの利用することによって、監視できればいいなと思ってるっス」
「あー…」
「なるほど」
相槌を打つ二人に、アタシはイニシアチブがこちらに戻りつつあることを確信し、さらに言葉を続ける
「問題点を強いて言えば、トレーナーと一緒にプリクラ取ったときに、
できたシールに矢印付きでトレーナーを自分のだって書いたとかっスね」
「ひょっとしてゴルシのだね?」
フジ寮長がすぐに察する、やはりこの人達は生徒を束ねるだけあって持ってる情報はすごいっスね…
「そうっス、学園中がシールだらけになってはがすのが大変だったんっスよ…あれ」
「アイツは、何だかんだで独占力が強いからねぇ」
ヒシ寮長がしみじみと語る
しかも一枚布から作ってて切り離せない代物になってるぐらいっスね」
「怖いね、執念が強いというべきか」
「何が何でも実家がトレーナーをくっつけたいって言う意思がひしひしと伝わって怖いねぇ」
アタシの問題点はこれで終わりという態度を示すと、確認するようにフジ寮長が聞いて来た
「なんていうか、デートそのものの問題行動って言うのはゲームセンターではなかったんだね」
「そうっス」
「公園や遊園地とかでもデートによる問題行動は起きてないのかい?」
「ないっスね、衆人環境の中なので、無理やりどうこうって言うのはないっス」
「…なるほどね、じゃあ二人きりになれる空間は何か問題はある?」
「例えばさ、飲食店のカップルシートとかは問題はあるんかい?」
この二人、ひょっとしてアタシが問題ないという発言を拡大解釈するつもりっスかね?
「「それは何だい?」」
アタシの言葉に目を光らせた二人が異口同音に聞きただす、正直コワイっス
「マックイーンとスペの二人がで出禁になった事件があったっス」
「詳細は言わなくていいよわかるから!」
「そういうのじゃなくて!そういういのじゃなくてさ!」
言うまでもなく大量に注文して店の冷蔵庫を空にした事件
トレーナーがいる手前暴走することはあんまりないんっスよね…この手の事件以外は
そこで、アタシはある懸念事項をあげることにしたっス
「「まさかオグリが…」」
「違うっス、トレーナー達の方にあるっス」
「「トレーナー達たち?」」
「そう、トレーナー達っス、あの人たちはなんていうかカップルシートを専属とのミーティングに使うのも悪くないなって考えてたりするんっス」
アタシの言葉にフジ寮長は何かに気づいたかように発言する
「つまり、トレーナー達はひょっとして、異性とのデートと考えてない可能性があるってことなのかな?」
「ご明察っス」
「「……」」
アタシの言葉に両寮長が絶句する
ヒシ寮長も何か希望を求めるように発言する
「…あー、それはトレーナー達からあまりいい感情をされないっスよ」
「「なんで!」」
二人とも完全に掛かってるじゃないっスか!という心の叫びを置いておいて、アタシは二人に説明する
「えっと、経験のある半数以上のトレーナーが担当が寝不足になって翌日のレースやトレーニングで支障があるからダメっていってるっス」
「「ああああああああ…」」
アタシの説明に両寮長は頭を抱えた、面白いっスねこの光景
「それは、大抵がトレーナーが絶対に活躍させるっていうスイッチが入って既成事実云々にならなくなるっスよ、フジ寮長」
「…」
「なあ、バンブー?ここまで調べてるのにどうしてデート関連の規制をしてこなかったんだい?」
ヒシ寮長の当然と言えば当然の疑問にアタシは遠い目をしながら答える
「そもそもとして生徒は好き勝手にデートしてるっスよね?、
そしてトレーナーは恋人同士というよりも担当の調子がよくなってるなって言う感じで付き合ってるっスよね?、
その状態で規制したら、デートができなくなった生徒と担当が調子が悪くなったトレーナー陣からの反発が予想されるっス
でも認めるわけにもいかないっス、なのであえて文章化しないってことになったんっスよ…」
アタシの言葉にアタシ含め三人とも遠い目をして沈黙することとなった
(あ…なるほどこれは使えるかもしれないっス)
その沈黙の光景で、アタシはとあるアイデアを思い付いたのだった…
___後日、体育館内にて
「担当の実家に突然連れていかれたのはビックリしたけど、担当を絶対に活躍させるぞって言う気持ちになって
イチャイチャなんて捨てて心を鬼にして担当をビシバシトレーニングする決心がつきました!」
「「「グェーーー!!!!」」」
体育館に集められた子たちが見るのは、トレーナーへのインタビュー映像
それをみて、掛かりになってた子たちが叫び声をあげる声が聞こえる…
あの時、アタシが閃いたアイデア、それはトレーナーの本音を見せる事だった
(このショック療法で、掛かりが収まってくれればいいんっスけどね…)
そんなことを考えながら、アタシは生徒たちの様子をみる…結構効いてるっスねコレ
ちゃんとコミュニケーション取って愛情と信頼を育てないとだめっスよね…)
そんなことを考えながら、映像が映されてるスクリーンの先では次のシーンが映っていた…
「カップル宿泊プランはちょっとね〜、担当にはちゃんと眠って次の日に備えてほしいからねぇ〜」
「「「ヌワーーーーーーーー!!!」」」
END
ケンドーブレード
「トレーナーと再戦!トレーナーに勝ち数の多さでトレーナーに負けたっス、そのうち再戦を申し込むっス」
UFOキャッチャー
「ダイアのぱかプチが全部トレーナーと一緒の奴になってるっス、
しかも取り外しできないように一枚布から彩色と縫い合わせを行って作る執念があってコワイっス」
プリクラ
「客観的に自分のポーズを見れたり、簡易的なファンサービスアイテムにできたり有用性はあるっス
ただ、文字を書き込む場合は要注意っス、ゴルシがトレーナーと一緒に撮影して「自分のだ」って書いてばらまく事件があったっス
…それはともかくとしてアタシのトレーナーと一緒に取ったの物はアタシだけの物っス」
カップルシート
「飲食店のカップルシートっス、いい景色があったりなかったりただのピンクのテーブル席だったりブース席だったりとマチマチっス
カップルシートという名前以外はトレーナーとの簡易ミーティングルームとして使えるので有効活用できると思うっス、トレーナーも同意してるっス」
カップルドリンク
「一つの容器に二つのストローで飲むドリンクっス、改めてトレーナーと飲んでみたっスけど、顔がまじかにあってドキドキするっスね…
…また二人で飲みたいっス」
宿泊プラン:カップルプラン
「いわゆる二人向け宿泊プランっス、普通に2人でシングル2部屋使うよりは安く済むっス、おおよそ半額ぐらいっス
ただし、ベッドはダブル一つだけってなるっスから、利用は信頼関係を強くもった同士のみにすべきっスね…
トレーナーさんと背中合わせで眠ったっス、背中から伝わるぬくもりが心地よくてぐっすりだったっスけど…
こう…なんていうか恋人同士とかイチャイチャとは違う感じになってしまったっス…」
トレーナーと一緒にデートで一杯一杯の担当と
星座の解説に目を輝かせてるトレーナーって言うコンビを想像してしまいました
やつの名はある時はタマモクロスある時はイナリワン
またある時はスーパークリーク…
クズやん…