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2025.10.01-12:01:42(41/41)

ウマ娘怪文書

【ウマ娘怪文書】「あいつはしょせん、皇帝におんぶに抱っこの男じゃないか」「シンボリルドルフだったら、誰がトレーナーでも勝ってたよ」

 コメント (0)

1: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)22:58:15
廊下を歩いていると、スーツ姿の男たちが会話をしているのが目に入った。。
二人はこちらに一瞬視線を寄越して聞こえるように口を開く。
「あいつはしょせん、皇帝におんぶに抱っこの男じゃないか」
「シンボリルドルフだったら、誰がトレーナーでも勝ってたよ」
うるさい。そんなことは言われなくたって分かっているよ。
でも、ルドルフ以外に担当を持っていない以上、否定する材料はなかった。

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2: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)22:58:51
喫茶店、隣の席で二人組の女が雑誌を広げて会話をしている。
「皇帝のトレーナー自身はやっぱり大したことなかったんだ」
「この頃の写真なんてさも自分の功績みたいな顔してるのにね」
記事には俺の名前と共に知らないウマ娘の名前、"レース中に転倒し骨折!"そんな見出しが書かれたいた。
そこには、顔が黒く塗りつぶされたウマ娘の顔写真のほか、ルドルフと共に俺がウィナーズサールに立っている写真が載っていた。
黙れ。
俺はルドルフが打ち立てた実績に寄与することはあったと思っても、自分の功績だなんて思ったことは、一度も無いぞ。
そして、俺がトレーナーであるという事以外のすべての肩書が、シンボリルドルフという類稀なウマ娘のおかげだなんてことは、お前らに指摘をされなくたって、わかってるんだよ。俺は。
そもそもなんにも知らないお前らに……。
3: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)22:59:17
「確かに、彼らは君の事をよくは知らないだろうな」
え?
「だが、私は君の事をよく知っているよ。君に対して正当な評価をくだすことが出来るだろうね」
声がする方へ振り返ると、トレーナー室にどこからともなくシンボリルドルフが現れる。
無表情を張り付け、見たこともないような冷たい目付き、声は普段の穏やかなものではなく、糾弾するような刺々しい声音だった。
「君と契約し、君に指導され、そして……」
「三冠を取り損ねた」
4: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)22:59:42
違う。君は、三冠ウマ娘だ。あの秋、ウィナーズサークルで三つ目の冠を戴いた――――。
「この結果は君の指導が間違っていたからじゃないのか?」
「菊花賞を目前として、さらなるトレーニングを希望した私に、体を休めろといった君の指示が、あの敗北を招いたんじゃないか」
やめろ、やめてくれ。知らない誰かに謗(そし)られることは無視できても、君にだけは。
それに、ルドルフの言っていることは間違っている。彼女は無敗で三冠レースを勝ち、そのあとG?レースを四勝した七冠ウマ娘なのだから。
否定しようにも、固まったように体が動かず、声も出ない。
5: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:00:01
「いや、間違っていたのは君だけではないのだろうな。私も……浮かれていたのだろう」
「あとは、君の名前を書くだけだ」
そう言って、ルドルフは紙を取り出して机に置く。表題に「契約解除通知書」と書かれている。
他になにやら文章が書いてあるが、読めない。その下にシンボリルドルフのサインがあった。
「今までお世話になりました。――さん」
そう言うとルドルフは扉に向かって歩いていく。
「待て、待ってくれ。ルドルフ、話を……聞いてくれ!」
彼女を止めようとするも、足がもつれて床に倒れ伏す。それでも、這いつくばりながら、声にならない声で彼女に訴えかける。
「君と、契約などするべきではなかったのだろうな」
彼女は、振り返りもせずそれだけ言うと、扉を開けて――――。
6: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:00:26
「あ……」
携帯端末のアラームに起こされて、目が開く。
「大丈夫かいトレーナー君。うなされていたようだが」
夢で聞いたものと同じ声、けれどこちらを気遣う声色。
牡丹色の眼に三日月様の流星、それが引き立つ鹿毛。街を歩けば誰もが振り返るであろう整った顔立ち。
そこに心配げな表情を付け足したルドルフの顔が目の前にあった。
どうもうなされていたらしく、彼女が心配している。それなのに、ルドルフの顔を見たくなくて顔を逸らしてしまう。
動悸が激しい。ルドルフがあんなこと言うわけ……言うわけないのだ。
7: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:00:58
「トレーナー君?」
「なんでもない」
「涙が出ているよ」
「寝起きだからな」
目元をぬぐうと、落ち着くために静かに深呼吸をする。
時計を見るとアラームを設定した通りミーティングの20分前だった。
「早いねルドルフ」
「早く終わったからね。……邪魔をしたかな」
「いやいや、アラームで設定してたから。あー……ソファーで待っててくれ」
ミーティングを始めてしまっても良いが、それよりも先に確認したいことがあった。
8: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:01:33
トレーナー室には、今までシンボリルドルフが獲得した優勝トロフィーを飾ってある棚がある。
ルドルフが学園に在籍している間はここに飾られ、卒業時に彼女と共にトレーナー室を――この学園を去っていく。
数ある優勝トロフィーの中でも、やはり特別と言わざるを得ないクラシック三冠レース。皐月賞、日本ダービー、そして菊花賞。
まぎれもなくシンボリルドルフが三冠ウマ娘(実際にはそれ以上なのだが)である証明がそこにあった。
その三つのトロフィーの中でも、夢の中のルドルフが名前を出したレース、菊花賞の銘板をなぞりながら言われたことを思い出す。
『君と契約し、君に指導され、そして……』
『三冠を取り損ねた』
『この結果は君の指導が間違っていたからじゃないのか?』
あれは夢の話だ。あり得たかもしれないが、現実じゃないんだ。
そう自分に言い聞かせて(子供じゃあるまいし言い聞かせる自体がバカバカしい話だな)、応接用ソファーに戻る。
9: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:02:12
「予定時刻よりも早いが、始めてしまおう」
レースを始めとする今後のスケジュールの資料を机の上に広げる。
「まず次のレースだが、サトノ家主催のチャリティレースだ。距離は2000、12人立て、出走者はまだ正式発表されてないがサトノ家から……」
ルドルフの視線はレース資料に注がれているが、どこか上の空だ。
「ルドルフ?」
「……すまない。私としたことが、ミーティングにまったく集中できていなかった」
「君らしくないな」
「どうしても、君が見ていた夢が気になってしまって」
「夢の中でトレーナー君は私に、待ってくれ、話を聞いてくれって言っていたようだから」
「俺、そんな事言ってた?」
ルドルフが首肯する。
……ルドルフが悪いんじゃない、俺が悪いな。俯いて眉間を揉む。
彼女に聞こえないように静かに唸る。
10: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:02:39
彼女にはとぼけたが、見ている最中に目覚めたから、夢の内容は一部始終を記憶していたから反芻することができた。
確かにルドルフのトレーナーになって、実際に夢の中と同じことを言われたこともあった。別に気にしてなどいないし、言わせておけば良いと思ってる。
ただ、ルドルフと三年間を共にし、幾多の勝利と栄光に関わってきた人間として自負心があることは……否定はできない。
いつの日かくるであろうルドルフとの契約終了、次なるウマ娘の指導。あらたな未来に不安がないと言えばそれも嘘になる。
じゃあ、夢の中のルドルフが言ったことは?
『君と、契約などするべきではなかったのだろうな』
11: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:03:02
「すまん」
「俺がうなされていて、ルドルフのことを呼んでいたんだったら、そりゃ気になるよな」
ルドルフには……いや誰であってもだが、担当から契約解除を突き付けられる夢を見て取り乱した、とはとても言えない。
「ただ、その、あまり言いたくはない事なんだ。ずるい言い方だけど聞かなかったことにしてくれると助かる」
ルドルフが考えこむように顎に手をあてる。
「君が言いたくないのであれば、そうすることにするよ」
「ごめん」
しかし流石シンボリルドルフと言うべきで、そのあとは滞りなくミーティングは進んで終わった。
12: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:03:27
20時を回った頃。
携帯端末がメッセージを受信し、通知音を鳴らす。ルドルフからだった。
『夜分にすまない。今から君の部屋に行ってもいいかな』
『一応聞くけど明日じゃダメ?』
『今じゃないと駄目なんだ』
うーん、ルドルフのことだから無駄や無意味で片付けられるようなことではないのだろう。それ以上とくに断る理由もないので『いいよ』と返事する。
それにしても何の用事だろう。あんまり散らかってないよな。ぐるっと部屋を見渡す。
台所は洗い物をした後だから片付いてるし、脱いで放置している衣服とかも無い。明日出すゴミ袋は寝室に隠しておこう。
本棚からはみ出た本が床に積んであるのは……まあこれはいいか。
13: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:03:52
しばらくした後にチャイムが鳴ったので、扉を開けてルドルフを出迎える。
「こんばんはトレーナー君」
「ああ、こんばん……弓?」
ルドルフは弓を持っていた。矢筒は見当たらない。
「ああ、弓だ」
14: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:04:19
リビングに入ってきたルドルフは、俺にソファーに座るよう言うと、自身は弓を持って弦を引くと――――指を離す。
弦の震える音がリビングに響く。
「おっと。あんまり大きな音を出すとお隣に悪いね」
ルドルフは悪戯っ子のような笑みを浮かべる。
「これは鳴弦と言ってね、弓に矢をつがえずに引いて音を鳴らすことで邪気や魔を祓うんだ」
「トレーナー君も聞いたことがあるかもしれない。古くは源氏物語なんかでも描写があったりするからね」
「確か、夕顔の……」
ルドルフは微笑みながらこくりと頷く。
「今日の晩は、君が悪い夢を見ることの無いように」
あっ……と息が漏れるような声が出る。
15: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:05:02
「トレーナー君。悪夢というのは、ストレスや悩み事に起因していることが多い」
優しく穏やかな表情と声で、ルドルフは続けた。
「私のパートナーである君が、悩んだり困ったりしているのなら、遠慮なく私にも相談してほしいと思ったんだ。
一緒に解決できるかもしれないし、あるいは悩み事というものは……ただ相談するだけでも気持ちが楽になることもある」
「ルドルフ……」
ルドルフが、うなされていた俺のことを、ただただ心配して来てくれたことに思わず顔が熱くなる。なのに……。
「ここまで心配して来てくれたのに、それなのにまだ言えないだなんて誠意がないな俺は」
16: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:05:26
「なに、どうしても言えないのなら、無理に聞こうとは思わないよ」
「……言えないというより言いたくない、だな。どこまでも子供っぽくて意地っ張りなだけだ」
「そういう人間なら、私もよく知っている」
ルドルフは自嘲気味に笑った。
「その彼女の傍には、いつでも相談ができて頼れる人が居るそうだ」
「そう、そしてトレーナー君にも、いつでも相談でき、頼ることができる人が傍に居る、ただそれが言いたかったんだ」
「……ありがとう」
17: おわり 2022/08/27(土)23:05:50
「ルドルフが来てくれたおかげで、気持ちが楽になったよ。本当に、ありがとう」
「それなら何よりだ」
「おやすみトレーナー君。良い夢を、また明日」
「おやすみルドルフ。君も良い夢を、また明日」
別れの挨拶を交わして、ルドルフが部屋から出ていく。
ああ、今日は、いやこれからは悪い夢を見ることはないだろう。
18: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:11:00
いい…
19: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:12:50
イイネ…
20: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:13:47
イイヨネ…
21: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:14:09
和装ルドルフ!
22: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:15:19
良き哉...
25: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:37:18
悪い夢を見たら知らせてくれ。君のために弦を鳴らそう。
27: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:39:48
>>25
イケメーン…
26: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:38:27
トレーナーはウマ娘から契約解除を言われたらどうあれ解除するべきなんだろうけど
仕方がないとは言えだいぶショックではあるよね
28: 名無しさん(仮) 2022/08/27(土)23:51:44
夏の暮れにいいものを見た

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