「きゅい♪きゅいきゅい、きゅいっ♪」
なんとイルカの鳴き真似ができる
一緒に行った水族館で披露してくれたのだが、
実際のイルカの反応が返ってきて驚いたものだ
それが病室で持て余した時間の賜物だと言われると反応に困るのだが
「すごいね、本当に会話してるみたいだったよ」
「ふふ、喜んで頂けたなら何よりです」
「なんかコツみたいなのはあるの?」
「コツ、ですか……そうですね……」
その時の彼女の顔は、いたずらを思いついた時の子供のようだった
「でしたら、今度一緒にやってみませんか♪」
それからしばらくイルカの鳴き真似練習に励むことになった
鳴き声を覚えるためにイルカがモチーフの映像を一緒に見たり
屋敷に招かれて付きっ切りで練習に付き合ってもらったり
喉をよく使うので喉に優しいお茶やのど飴を一緒に買いに行ったり
熱心な指導の甲斐あってか、数か月で自分でも聞けるくらいにはなった
それと同時にこの過程を孤独に過ごした彼女を思うと、どこかいたたまれない
「そんな顔をなさらなくても、私はもう気にしていませんし……」
「……」
「それに、今は貴方が居てくれますから……♪」
「……ああ!」
と言っても、練習の一環で何度も彼女と脚を運んだ場所だ
受付の人に顔を覚えられるくらいには常連扱いされているらしい
二人並んで順路を行き、彼女が初めて鳴き真似を披露した水槽の前に来た
「さあ、トレーナーさん」
「あ、ああ……」
アルダンを見て寄ってきたイルカたちに向かい、深呼吸をする
周りの視線が少々気になるが、小声のエールが背中を押してくれる
意を決して、喉に力を入れる
「きゅ……きゅい、きゅい?」
「───……、───!───♪」
「…………あ、これ、返事……?」
「あ、ああ!ありがとうアルダン!君のおかげだよ!」
「ふふっ、もう一度挨拶してみたらどうですか?」
努力が実った瞬間の喜びを、まさか自分自身で味わうことになるとは思わなかった
もう一度喉を鳴らしてみれば、彼女にしていたようにきゅいきゅいと返事が返ってくる
「きゅい、きゅい、きゅいい」
「きゅいきゅい、きゅいっ、きゅきゅい♪」
「っ、アルダン……」
「せっかくですし、ね♪」
アルダンとの間に深い絆を感じたひと時だった……
「……あら、イルカさんたちの様子が……っ!?」
「ん?何か生えて……あ、あー……」
何故かイルカたちがペニスを露出させて絡み合っていた
一体自分たちはイルカ語で何を話していたのだろう……
メジロアルダンの賢さが10上がった
「魅惑のささやき」のスキルヒントレベルが3上がった
交尾し始めたらシャレにならないし…
何も起こらぬはずはなく…
先に猥談始めたのはあっちキュイ
そういう雰囲気になったカップルをそれとなく人が通らない空間に誘導しますわー!