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2026.10.02-06:02:02(46/40)

ウマ娘怪文書

【ウマ娘怪文書】約束の時間よりも三十分前。待ち合わせ場所の駅前に、既に彼女は居た。暑さを避けようと早めに時間を設定したものの、空は雲一つない快晴。じっとしていても汗が止まらないほどに日が照っていた。

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1: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:36:47
約束の時間よりも三十分前。待ち合わせ場所の駅前に、既に彼女は居た。暑さを避けようと早めに時間を設定したものの、空は雲一つない快晴。じっとしていても汗が止まらないほどに日が照っていた。
そわそわと何度も辺りを見渡す彼女に声をかけると、彼女は耳をピンと立てた。まるでそのウマ耳から足元まで棒を通したようだ。
「トトト、トレーナーさん! おはようございます!」
「ごめん。待たせちゃったね」
「いえいえ! 私も今来たばっかりですから!」
「いや、だいぶ前から来てたでしょ。汗、すごいぞ」
「うぇっ!? 臭います?」
「そんなことないよ。むしろいい匂いだ」
言った直後に誤解を招くような発言であったと思い、慌てて付け足す。
「香水かなにかかな。すごく爽やかな匂いだよ」
「よかったぁ……新しいスプレーを試してみたんです。その、母が調香しているもので」
「ともあれ、待たせて悪かったよ。とりあえず屋内に行こうか」
2: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:37:14
いつまでもこの暑さの中で過ごすわけにもいかない。彼女を連れて今回の目的……映画館へと向かう。と言っても、元々余裕を持って上映時間よりも早い時間を待ち合わせに設定したのだ。その三十分前となれば、少しばかり時間を持て余してしまう。
映画館は平日ということもあり空いていた。券売機でチケットを発券して売店の看板の前に立つ。ポップコーンにチュロスにドリンク……やはり映画館といえばこれだろう。開場時間までは余裕がある。ゆっくりとメニューを眺めても大丈夫だろう。
「トップロードは何を食べる?」
「やっぱりポップコーンです! それと、飲み物はオレンジジュースで……ホットドッグもいいですね」
目を輝かせて売店のメニューを見つめる彼女を横から眺めていると、そんな俺に気がついたのか彼女は顔を赤くした。
「食べ過ぎ……ですかね……?」
「大丈夫。折角の休日だし、たくさん頼んでもいいよ」
「ですよね! じゃあこのポテトも食べたいです!」
3: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:37:32
トップロードが指差したメニューを全て注文し終えると、ちょうど開場の時間となった。二人で大量のホットスナックを分担して持ち、シアターへ入る。スクリーンにはまだ宣伝の映像しか流れていない。席に座ると、彼女はすぐにホットドッグを食べ始めた。
「トレーナーさん。冷めないうちに食べちゃいましょう。一口どうぞ」
「ん、ありがと」
彼女が差し出すホットドッグを一口食べつつ、荷物を整え上映に備える。隣を見れば顔をほころばせながらホットスナックを頬張るトップロードの姿。緊張も解け、気を遣うことなく自然体でいてくれるのはこちらとしても喜ばしい。
「あ! 始まりそうですよ」
「そうだな。楽しみだよ」
選んだ映画は予告でスリリングさを全面に押し出していたアクション映画。このチョイスはトップロードのものだ。
予告通り映画は手に汗握るシーンが何度も続き、気がつけばトップロードは俺の右手をぎゅっと握りながらスクリーンを見つめていた。ラストシーン、主人公は自らミサイル飛び交う孤島へ赴き、全ての決着をつける。しかし、脱出には間に合わずついに……
4: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:37:50
「……すごくすごくドキドキする映画でしたね!」
劇場の明かりが辺りを照らし、観客たちは次々と退出していく。エンドロール後に何かどんでん返しがあるわけでもなく、物語は主人公の死によって幕を閉じた。
「バッドエンド……ってわけじゃないけど、悲しい終わり方だったな」
「もしかして……あんまり面白くなかったですか?」
「いやいや。そんなことないよ」
ただ、思ってしまうのだ。美しい自己犠牲によるエンディングは、ハッピーエンドよりも都合がいいのではないかと。確かに、物語としては美しいかもしれない。けれど、やはり最後は未来への道を示して終わらせてほしいと思うのは俺のわがままだろうか。
「……トレーナーさん?」
「あぁ、ごめん。そろそろ出ないとね」
トップロードに促されシアターの外へ。時刻はお昼を回った辺りで、一応昼食の時間であった。
「トップロードはお腹減ってる?」
「はい! とっても!」
あれだけのホットスナックを食べたのにもかかわらず、トップロードはまだまだ食べられるようだった。とすると、どこかレストランを探したほうが良さそうだ。
5: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:38:14
「あ、トレーナーさん! あそこがいいです!」
「ファミレス……? 俺はいいけど……本当にあそこでいいのか?」
「はい! あそこならゆっくりできるので!」
休日では人で溢れるファミレスも、平日の昼間では空いていた。窓際の二人席にトップロードと向かい合せに座り、注文を済ませる。
「本当にここでよかったのか? せっかくの初デートなんだし、レストランとかでもよかったんだぞ?」
「いえ! きっと私、緊張しちゃうので……いつも友達と来る、ここでいいんです! でもそっか。デートですもんね。トレーナーさんとのデート……」
恥ずかしそうに呟きながら彼女はグラスの縁を指で何度もなぞる。そう。今日は俺とナリタトップロードの初めてのデートである。
「でも、デートなのにいつも通りっていうか……いや、私はすっごく楽しかったんですけど……これでいいのかなって……ごめんなさい、今更こんなこと」
「いいんだ。俺も楽しいから。思い返せば、トプロと初めて行ったのは遊園地だっけ。あの時から既にデートっぽかったよな」
「あぅぅ……友達からもそう言われてからかわれました。『まだ付き合ってなかったんだ』って」
6: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:38:47
テーブルに届けられた料理をつまみながら、二人は話を続ける。今までのことを振り返ると、既にデートに近しいことは何度もしているような気がした。
「なんだか……変わらないですね、私たち」
「そうだな。出会ったときから、割とそのままだ」
料理を食べ終えてからも思い出話は止まらない。二人が今まで駆け抜けてきた道……ターフの上でのこと、二人で過ごした時間のこと。それから、この先のことも。
「きっとトレーナーさんとなら……すごく良い未来が待ってます!」
根拠はないけれど。それでも、二人の間には確信があった。無責任かもしれないが、しかしハッピーエンドを保証するくらいの無責任は背負ってしまいたかった。
「君がそう言ってくれるとそんな気がするな。きっとこの先も、二人で輝く道を歩けるような」
窓の外を見れば、眩しい太陽が街を照らしていた。
「そうだ。今日はこれからデートっぽいことしましょう! 手を繋いで色んなところに行きましょうよ!」
7: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:39:09
彼女は俺の手を握って歩き出す。今日一番の、とびきりの笑顔で。
「待って待って! まずはお会計してからね」
うん。やっぱり俺たちにはこれが相応しい。いつだって、次へと続く道が見えるような、そんな輝く日常が。
8: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:40:11
シンプルにトレーナーとトプロ委員長がデートする話を読みたいので書きました
デートでテンパるトプロを見たい気持ちもあります
9: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:46:42
抱けー推せるー
10: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:50:06
いい...プラネタリウムとか行ってうっかりアヤべさんのカップルと遭遇して欲しい
12: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)00:55:12
一緒に過ごせるのが何より嬉しいのいいよね
13: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)01:39:34
コロコロと表情変わりつつもすっごい笑顔なトプロが目に浮かぶようだ
14: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)01:42:18
そうそうこういうのでいいんだよこういうので
16: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)02:12:15
すごく普通な…だからすごくすごい幸せ
19: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)02:13:40
トプロは親密になっても丁寧語口調が抜けない分
たまのタメ口の威力がデカいんだ
20: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)02:16:46
秋はデートシーズンだ
紅葉の舞う中で笑っている彼女を眺めているだけの人生だった
21: 名無しさん(仮) 2023/09/08(金)02:20:10
同世代が尾行して遠巻きに見守る…感じでは無いかもしれん、覇王世代は
それぞれ別の場所で過ごす感じ

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