ある雪の日の休日、あたしはトレーナーさんにちょっとした用事があってトレーナー室に訪れた。
コートをハンガーラックにかけ部屋を見渡す。
トレーナーさんはいつものデスクの前には座っておらず、コートを掛け布団代わりにしてソファで眠っていた。
エアコンは動いておらず、室温計は5℃を示している。
「寒ぅっ…トレーナーさんよくこんな中で寝られるなぁ…」
そう思いエアコンのスイッチを入れようとしたのだが───
「え?故障中!?」
エアコンのスイッチには無慈悲にも『故障中』という張り紙がされてあった。
と揺さぶり起こそうとしてみるものの全く起きない。
今日もお疲れの様子みたい。
でもやっぱり寒いは寒いのか時折震えている。
とりあえずあたしのコートもかけてみたけどあんまり効果はなさそうだ。
どうしよう、こんな寒い部屋で寝たままだと本当に風邪ひいちゃうかも…
でも、トレーナーさんってば一度寝たら中々起きてくれないんだよなぁ…
この前だって朝から仕事あるからって頼まれてたから起こしたけど、起きてもらうのがちょっと大変だったし…
勝手に荷物漁って開けちゃうのも気が引けるし…
毛布か何かないかと部屋の中を探してみるものの何も見つからない。
うーん…何かあったまれそうなもの…あったまれそうなもの……
「…あ、そうだ!」
確かこういう時には────
「……ん…あれ?」
目を覚ますと窓辺から夕陽が差し込んでいた。
仕事を終え帰ろうとしたものの眠気には勝てず、この部屋で少し仮眠をしようとしていたが思ったより眠ってしまっていたみたいだ。
「あー…しまったな……ん?」
とりあえず身体を起こそうとするが何だか重い…何かが乗ってるのだろうか…?
よく見ればかけていたコートが自分以外の身体で盛り上がっている。
恐る恐るめくってみると
「すぅ…すぅ…」
「…キタサン?」
自分に覆いかぶさるようにキタサンが眠っていた。
「んぁ…ふあ~ぁ…おはようございます…」
そうこうしているとキタサンが目を覚ましたようだ。
「おはよう。えーっと…これはどういう状況?」
「ん~…あぁ、これです?キタちゃんゆたんぽです。」
寝ぼけ眼を擦りながらへにゃっとした笑顔をこっちに向けるキタサン
───曰く、俺に用事があって訪れたは良いものの俺はエアコンが壊れた部屋の中で寒そうに寝てるし、起こそうとしても起きないしでどうすれば俺を温められるかと考えてたらしい。そこで思いついたのが───
湯たんぽというよりはサイズ的にキタちゃん掛け布団のような気もするが
「あぁ、とてもあったまったよ。ありがとうね。」
「…えへへ、お助け出来てよかったです」
頭を撫でると嬉しそうに目を細めている。心なしか湯たんぽの温度が少し上がった気がした。
キタちゃん湯たんぽの効果は絶大で身体中がポカポカになっていた。寧ろ少し暑い位だ。
これなら家までなら外の寒さにも負けずに温かいまま帰れそうだ。
「ですね。…そういえばエアコンっていつ直るんです?」
「それが…この時期業者も忙しいらしくて…いつ直るかわからないらしいんだよ。」
空調を全部エアコン頼りにしていたツケを払う時が来てしまった。
早めにファンヒーターでも買うかぁ…経費で落ちるかな等と考えていると───
「あ、そうだ!それならまたいつでもあたしで暖をとってください!あたしもトレーナーさんであったまるので!」
その後エアコンが直るまでの間、トレーナー室では度々キタちゃん湯たんぽを抱きしめながら仕事をするトレーナーの姿があったとか。
職場のエアコンがぶっ壊れたので書きました
キタちゃんにあっためてもらいたい…
>職場のエアコンがぶっ壊れたので書きました
それはそれでご愁傷様だな
>トレーナーさんの家の合鍵はまだ持ってないからなぁ…
まだ
まだ?
>というか今日キタサン泊まりに来る日だっけ?
こいつ…
流石に爛れ過ぎでは……
ダイヤちゃん何か言ったって
(ダイヤちゃんはトレーナー室のエアコンを壊して同じことをしているのでいない)
気軽に壊すな
>というか今日キタサン泊まりに来る日だっけ?
警備員さん!
これってぇ!
異常なし…と(バサッ
原作かな?
いいだろ…?キタサンブラックだぜ…?