1: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:31:00
今朝来た彼女はやけにそわそわしていた
昨日の連ドラの内容がそこそこ過激だったのでそれのせいかと思っていた「あ、あのっ!あたしの匂いを嗅いでみてくれませんかっ!」
昨日の連ドラの内容がそこそこ過激だったのでそれのせいかと思っていた「あ、あのっ!あたしの匂いを嗅いでみてくれませんかっ!」
連ドラではなくレディコミだったかもしれない
この距離で異臭などがするわけでもないのでその旨を伝えた、がそうではないと言う
どうにも落ち着かないらしいので、一応理由を聞いてみた
「えっ、えっと……その……いい匂いがする人とは、相性がいいって……」
「まあそういう説もあるけれども……」
「でっ、で、ですから、どうぞ!」
真っ赤な顔で大の字で構えられても、そこに飛び込んでいけば犯罪である
しかし何もせずに落ち着けることはできないだろう
2: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:31:16
少し悩んだ末に彼女にこう言った「じゃあ、お手を拝借しても?」
「はっ、はいっ!どうぞっ!」
「はっ、はいっ!どうぞっ!」
差し出された手を取り、その薄く漂う甘い芳香を少しばかりいただいた
「……うん、いい匂いだよ」
「そ、それじゃあ!」
「俺とキタサンは相性がいいってことだね。じゃあ練習行こうか」
「はいっ!」
3: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:31:30
「──ってことでね……!」
「……キタちゃん、今朝ハンドクリーム塗ってたよね?」
「えっ……あー!」先に着いてコースで準備をしていたら、着替え終わった彼女に突撃されてしまった
併走予定のサトノダイヤモンドも苦笑いをしているあたり、マタドールは失敗のようだ
「……キタちゃん、今朝ハンドクリーム塗ってたよね?」
「えっ……あー!」先に着いてコースで準備をしていたら、着替え終わった彼女に突撃されてしまった
併走予定のサトノダイヤモンドも苦笑いをしているあたり、マタドールは失敗のようだ
「トレーナーさん!騙すなんてひどいですよ!」
「大の大人が女子高生の匂いを嗅ぐわけにはいかないだろ……」
「手の甲嗅いだならどの道一緒だと思いませんか!?」
「洒落で済むかどうかが大事なんだよ。ほら行ってきなさい」
4: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:31:45
納得いかないような顔ではあったが、渋々と走りに行った彼女を見送った
その後は抗議の隙を与えないようにメニューを詰めたり、隣で気分悪そうにしている別のトレーナーの介抱をしたりして午前の練習は滞りなく終えることができた
走り終えた彼女も幾分かすっきりしたような表情で、今朝の悶着も忘れているようだ「はぁ……はぁ……ふぅ……。今日もお疲れさまでした!」
「おうお疲れ」
「キタちゃん、いいの?」
「何が?ダイヤちゃん」
「……ううん、なんでもない」
「喉乾いちゃった。ボトルボトル……」
「待てキタサン足元!」
その後は抗議の隙を与えないようにメニューを詰めたり、隣で気分悪そうにしている別のトレーナーの介抱をしたりして午前の練習は滞りなく終えることができた
走り終えた彼女も幾分かすっきりしたような表情で、今朝の悶着も忘れているようだ「はぁ……はぁ……ふぅ……。今日もお疲れさまでした!」
「おうお疲れ」
「キタちゃん、いいの?」
「何が?ダイヤちゃん」
「……ううん、なんでもない」
「喉乾いちゃった。ボトルボトル……」
「待てキタサン足元!」
5: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:32:01
へ?と気の抜けた顔が、足元で蹲っていたトレーナーに躓いて傾く
慌てて駆け寄るとすっぽり腕の中に落ちてきて、顔から自分の体に突っ込んできたのを受け止めた「大丈夫かキタサン、怪我は?先輩も大丈夫ですか?すみませんウチの担当が……」
「平気さ……俺があの子にしてる仕打ちに比べれば……」
「まったく……足元にもちゃんと気をつけて、キタサン……?」
慌てて駆け寄るとすっぽり腕の中に落ちてきて、顔から自分の体に突っ込んできたのを受け止めた「大丈夫かキタサン、怪我は?先輩も大丈夫ですか?すみませんウチの担当が……」
「平気さ……俺があの子にしてる仕打ちに比べれば……」
「まったく……足元にもちゃんと気をつけて、キタサン……?」
胸の中で受け止めたまま動かなくなってしまった彼女をゆらゆら揺すぶる
しばらくジャージにしがみ付いていたが、気が付いたのか結構な力で突き飛ばされた
そのまま自分の頬をぺたぺたと触っていたかと思うと、大声で謝りながら更衣室に走っていった
「……怪我は無さそうでなによりだ」
6: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:32:20
「待ってよキタちゃーん……!はぁ……はぁ……」
「どどどどどどうしようダイヤちゃん汗だくのまま抱き着いちゃった!臭いとか思われてないかなぁ!?」
「だ、大丈夫……大丈夫だから首離して……」
「ご、ごめん……」
「げほげほ……そ、それで、どうだった!」
「どうって……───っ!」
「あの距離なら絶対嗅げたよね!?ね、ね!」
「ちょっと、汗臭くて……でも、なんか、ドキドキした……」
「……それって、どうなんだろう?」
「分かんない……」テンパる少女二人、汗の匂い染みついた更衣室で姦しいやり取りが繰り広げられていた
後日改めて確かめようとこっそりジャージを持ち出しかけたのがバレたのは、また別の話
「どどどどどどうしようダイヤちゃん汗だくのまま抱き着いちゃった!臭いとか思われてないかなぁ!?」
「だ、大丈夫……大丈夫だから首離して……」
「ご、ごめん……」
「げほげほ……そ、それで、どうだった!」
「どうって……───っ!」
「あの距離なら絶対嗅げたよね!?ね、ね!」
「ちょっと、汗臭くて……でも、なんか、ドキドキした……」
「……それって、どうなんだろう?」
「分かんない……」テンパる少女二人、汗の匂い染みついた更衣室で姦しいやり取りが繰り広げられていた
後日改めて確かめようとこっそりジャージを持ち出しかけたのがバレたのは、また別の話
7: おしまい 2022/11/09(水)18:32:36
二番煎じです
8: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:37:24
その辺でぶっ倒れてるトレーナーの身には一体何があったの…
10: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:45:02
>>8
>「トレーナーさん!騙すなんてひどいですよ!」
>「トレーナーさん!騙すなんてひどいですよ!」
9: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:42:31
他のゲノハラと比べると微笑ましい
11: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:50:11
ああこれ近くから
>3>「トレーナーさん!騙すなんてひどいですよ!」
って聞こえたからぶっ倒れたんだな…
>3>「トレーナーさん!騙すなんてひどいですよ!」
って聞こえたからぶっ倒れたんだな…
12: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)18:58:19
バクシンバクシン!
13: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)19:05:24
人が通るところで死んでるんじゃねーぞこの詐欺師!
14: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)19:31:57
一般通過バクトレ...
15: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)19:35:10
バクトレの死に芸も板に付いてきたな…
16: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)19:36:12
スペちゃんやキタちゃんはちゃんと「嗅ぎます!」って申告して躱されてそうだから微笑ましい
…微笑ましい?
…微笑ましい?
17: 名無しさん(仮) 2022/11/09(水)19:39:23
憧れのテイオーさん辺りはトレーナーの匂いと自分の匂い混ざりすぎて区別できなくなってるとかあり得そうなのが…