1: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)01:01:48 0
はい、寝る前に私の話を聞いて下さい…
以前まで、学園の理科室には片脚の無い骨格標本があったそうです
年配の先生ですら由来を知らない古いもので、生徒たちの間では様々な説が飛び交っていました
中でも有力だったのが、『大事故で片脚を失い亡くなった生徒の本物の骸骨で作られている』で
元々の不気味さも相まって、誰もが授業中ですら骨格標本へ近寄るのを嫌がっていました
ある日のこと、理科室にノートを忘れてしまったウマ娘がいました
よりにもよって、明日はテストの日。既に夕日は沈みかけていましたが、取りに行かない訳にもまいりません
そのウマ娘は、おそるおそる理科室の扉を開けると、絶対に骨格標本のある教室の隅を見ないようにしながらテーブルの下を探り
ようやく目当てのノートを見つけました
これで帰れる!と喜んだのもつかの間、彼女は教室に違和感を覚えました
どこを見渡しても、あの骨格標本が見当たりません
授業で使われることも無かったのでついに片付けられてしまったのでしょうか
そう思って、来た時とは反対に軽い足どりで廊下へと戻り、扉を閉めた後の事です
薄暗い廊下の先、奥の方にぼんやりと人影が見えました
以前まで、学園の理科室には片脚の無い骨格標本があったそうです
年配の先生ですら由来を知らない古いもので、生徒たちの間では様々な説が飛び交っていました
中でも有力だったのが、『大事故で片脚を失い亡くなった生徒の本物の骸骨で作られている』で
元々の不気味さも相まって、誰もが授業中ですら骨格標本へ近寄るのを嫌がっていました
ある日のこと、理科室にノートを忘れてしまったウマ娘がいました
よりにもよって、明日はテストの日。既に夕日は沈みかけていましたが、取りに行かない訳にもまいりません
そのウマ娘は、おそるおそる理科室の扉を開けると、絶対に骨格標本のある教室の隅を見ないようにしながらテーブルの下を探り
ようやく目当てのノートを見つけました
これで帰れる!と喜んだのもつかの間、彼女は教室に違和感を覚えました
どこを見渡しても、あの骨格標本が見当たりません
授業で使われることも無かったのでついに片付けられてしまったのでしょうか
そう思って、来た時とは反対に軽い足どりで廊下へと戻り、扉を閉めた後の事です
薄暗い廊下の先、奥の方にぼんやりと人影が見えました
2: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)01:02:59 0
ウマ耳と尻尾が見えるので、どうやら誰か他にも生徒が残っていたようです
コツン…コツン…と足音は徐々にこちらへと近づいて来ますが、どうも様子が変です
まるでけんけんぱでもしているかのように、片足だけで跳ねるように動いています
それに、着ている制服も古めかしい、闇に溶け込むかのような真っ黒なセーラー服です
少なくとも今の生徒が着ている明るい紫色のものではありません
袖やスカートから見える肌は、まるで死人のように真っ白で、骨のように痩せ細って見えました
顔は見えません。何かを探すように俯いたままで、飛び跳ねるたびにゆらゆらと揺れる長い髪で覆われていたからです
忘れ物を取りに来たウマ娘は、ノートを胸に抱えたまま恐怖でその場に立ち尽くしました
先ほどまで微かに差していた夕日も完全に沈み、けんけんで近づいてくるウマ娘の背後は完全な暗闇でした
「…て…て…」
喉の奥から絞り出したかのような、か細い声が聞こえてきます
その声は最初は不明瞭で何を喋っているのかよく聞き取れませんでしたが
あと3バ身という距離まで近づかれてしまってようやく
「て…返して…」
と聞こえたのです
コツン…コツン…と足音は徐々にこちらへと近づいて来ますが、どうも様子が変です
まるでけんけんぱでもしているかのように、片足だけで跳ねるように動いています
それに、着ている制服も古めかしい、闇に溶け込むかのような真っ黒なセーラー服です
少なくとも今の生徒が着ている明るい紫色のものではありません
袖やスカートから見える肌は、まるで死人のように真っ白で、骨のように痩せ細って見えました
顔は見えません。何かを探すように俯いたままで、飛び跳ねるたびにゆらゆらと揺れる長い髪で覆われていたからです
忘れ物を取りに来たウマ娘は、ノートを胸に抱えたまま恐怖でその場に立ち尽くしました
先ほどまで微かに差していた夕日も完全に沈み、けんけんで近づいてくるウマ娘の背後は完全な暗闇でした
「…て…て…」
喉の奥から絞り出したかのような、か細い声が聞こえてきます
その声は最初は不明瞭で何を喋っているのかよく聞き取れませんでしたが
あと3バ身という距離まで近づかれてしまってようやく
「て…返して…」
と聞こえたのです
3: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)01:05:03 0
このままでは、絶対にまずい!
そう思った瞬間、けんけんのウマ娘はゆっくりと顔を上げ、はっきりとある言葉を喋りました
瞬間、忘れ物を取りに来たウマ娘は恐怖のあまり絶叫し、反射的に反対方向へと全速力で駆け出しました
けんけんのウマ娘に、顔は、ありませんでした。顔のあるべき場所は、真っ白な髑髏だったそうです
そう。あの骨格標本が、生前の姿に戻って彷徨い歩いていたのです
命からがらまだ先生方のいる職員室へ駆け込み、ようやく後ろを振り返ることができましたが
けんけんのウマ娘が追って来ることはありませんでした
その日を境に、誰かが片付けたでもなく骨格標本は忽然と消えてしまったそうです
だから、私達の時代には誰も見たことはない筈です。ですが、
魑魅魍魎の活発になる夕暮れや闇夜は別ですですから、もし、皆さんも…校舎でこのような声を聞いたら気を付けてくださいね…
「私の脚を返して」
お終い…ふぅっ。夜更かしは、厳禁ですよ…
そう思った瞬間、けんけんのウマ娘はゆっくりと顔を上げ、はっきりとある言葉を喋りました
瞬間、忘れ物を取りに来たウマ娘は恐怖のあまり絶叫し、反射的に反対方向へと全速力で駆け出しました
けんけんのウマ娘に、顔は、ありませんでした。顔のあるべき場所は、真っ白な髑髏だったそうです
そう。あの骨格標本が、生前の姿に戻って彷徨い歩いていたのです
命からがらまだ先生方のいる職員室へ駆け込み、ようやく後ろを振り返ることができましたが
けんけんのウマ娘が追って来ることはありませんでした
その日を境に、誰かが片付けたでもなく骨格標本は忽然と消えてしまったそうです
だから、私達の時代には誰も見たことはない筈です。ですが、
魑魅魍魎の活発になる夕暮れや闇夜は別ですですから、もし、皆さんも…校舎でこのような声を聞いたら気を付けてくださいね…
「私の脚を返して」
お終い…ふぅっ。夜更かしは、厳禁ですよ…
4: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)01:18:27 0
はい、寝で普通にホラーやるの初めて見た
5: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)01:20:30 0
くそっ馬鹿話かと思ったら寝る前に怖い話聞かせやがって!
6: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)01:25:38 0
タキオンはどう思う?
8: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)01:44:15 0
>>6
そこらへんにある余った骨でも付けておいてあげるねえ
そこらへんにある余った骨でも付けておいてあげるねえ
11: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)02:20:54 0
>>8
待て何の骨だそれ
待て何の骨だそれ
12: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)02:49:08 0
>>11
どこの馬の骨ってやつよ
どこの馬の骨ってやつよ
7: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)01:43:20 0
本来突拍子もない嘘だったはずの噂話によって無機物が変質してしまった例だねぇ
元が突拍子もない嘘だからそれを救済する解決法も生まれずもし捕まった時の末路も語られないから対抗神話も生まれない…誰もがこの話を忘れ真の意味で存在が消えるその日まで彼女は目的もなく彷徨い続けるのだろうね
元が突拍子もない嘘だからそれを救済する解決法も生まれずもし捕まった時の末路も語られないから対抗神話も生まれない…誰もがこの話を忘れ真の意味で存在が消えるその日まで彼女は目的もなく彷徨い続けるのだろうね
9: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)01:51:06 0
突拍子もない嘘を突拍子もない解決策をぶつけるとどうなるとおもうんだい?
びっくりするさ!!
びっくりするさ!!
10: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)02:17:03 0
特定のアイテムがあれば回避できるとか
怪異に遭遇した生徒が被害を被るとか尾鰭がたくさん付きそう
怪異に遭遇した生徒が被害を被るとか尾鰭がたくさん付きそう
13: 名無しさん(仮) 2025/09/20(土)05:37:22 0
そうして脚を取り戻した彼女は
「ありがとう」
と言い残していなくなりました
「ありがとう」
と言い残していなくなりました