「こっそり……こっそり……忍び足……」
とあるウマ娘が、音を立てないように歩いている。
(トレーナーさんの部屋は……たしか……)
そうして、そのウマ娘――アストンマーチャンは自分のトレーナーの部屋の扉の前にたどり着く。しかし、その鍵は施錠させられていて侵入することは出来ない……筈だったが、しかし――。
「……ふっふっふー凄腕のスパイであるこのマーちゃんに、開けられぬ鍵はないのです……!」
――カチャ。鍵が開く音が鳴る。
「ふふーん……♪ これでトレーナーさんのお部屋におじゃましちゃえますね……♪」
そうして、アストンマーチャンはトレーナーの部屋の扉をそっと開いていく。
(凄腕スパイのマーちゃん、トレーナーさんのお部屋に侵入成功です♪)
まだトレーナーは寝ているようなので、アストンマーチャンはできるだけ静かに侵入する。
彼女はトレーナーのベッドに辿り着き、眠るトレーナーの寝顔を愛おしそうに眺めている。
……ふと、あたりを見渡すと……部屋の中にはアストンマーチャンのグッズや着ぐるみが溢れていた。
(……えへへ、やっぱりトレーナーさんはマーちゃんの虜ですね……♪ 良いことなのです、えへん)
(……あれ、でも……マーちゃんが最初にトレーナーさんにあげたマーちゃん人形が見当たりません……どこかに大事にしまっているのでしょうか……?)
そうして、アストンマーチャンは少し寂しそうに辺りを見渡す。すると……。
(……あれ……トレーナーさんの毛布のとこ、なにか膨らみがあるような……?)
その膨らみは、ちょうど胸の位置くらいだろうか。
気になって、彼女は寝てるトレーナーのところに気配を殺しながら近づき、そーーっと……毛布をめくる。
そこにあったのは――。
(マーちゃん人形……ここにあったのですね……♪♡)
トレーナーは、最初にもらった特別なマーちゃん人形を、ぎゅっと胸に抱きしめ眠っていた。
(えへへ……トレーナーさん……♪ ありがとうございます……♡)
(…………あっ、天才マーちゃん、良いこと思いついちゃいました……♡♪)
そういって、彼女はマーちゃん人形を抱えるトレーナーの腕をそっとどかして……。
(マーちゃん人形は机のところに避難させてあげましょう……♪)
そうして、トレーナーの空になった腕の中にそっと近づいて……横になって……布団に潜り込んで……。仰向けのトレーナーにアストンマーチャンはちょうどトレーナーの胸のとこに顔をうずめながらピッタリとトレーナーの上で横になって……そうして――。
「……はい、トレーナーさん……♪ ……本物のマーちゃんが来ましたよ……♡ ……その、抱きしめてください……♪♡」
そっと、彼女がトレーナーにささやくと、それが無意識に聴こえたのか、トレーナーはぎゅっと本物のアストンマーチャンを抱きしめた。
「…………♡」
そうして、そのままトレーナーは眠り続ける。アストンマーチャンは彼に抱きしめられて、胸に顔をうずめて、幸せそうにトレーナーを堪能していた。
トレーナーが起きるまで、ずっと、ずっと――。
……朝、目を覚ますと……身体に重みを感じる。……そういえば、今日はマーちゃんの人形を抱いて寝たんだったな……。
…………いや、マーチャン人形にしては重みが違う。もっと、大きくて……柔らかくて……良い匂いで……。
その身体の重みの正体を知ろうと毛布をめくる。
「……あっ、トレーナーさん……♪♡ おはようです……♡」
「…………!? ……ま、マーちゃん人形が……本物のマーちゃんになった……!?」
「えへへ……♡ 寝起きドッキリ大成功なのです……♪」
寝起きで頭が回らない。いったいぜんたいどうしてマーちゃんがベッドの中にいるのか? 疑問が脳内をぐるぐるして困惑している、と……。
「っぁ……」
突然、マーちゃんから抱きしめられる。彼女の重みや柔らかさが、匂いが、全部やってきて……。
「ぎゅ、ぎゅぅ……」
「…………♡♡」
訳も分からないまま、抱きしめ返してしまった。
「えへへ……トレーナーさん……このままずっと、ぎゅ〜ってしましょうね……♡」
「あ、ああ……」
こうして俺は、訳も分からないまま。マーちゃんと遅刻ギリギリになるまで抱きしめ合うのであった。
マーちゃん抱き枕なのです
こんな事言うとマートレはこんなの作るよ
表面はいいとして裏面はどうするのかな
流石に脱がしたりはしなそうだけど
寝てる最中にやってくるのもまあマーちゃんならやりそう
大好きだろ
メイクデビューから2週間で着ぐるみ作って商店街練り歩いて銅像作るのはなんというかお似合いというかトレーナー怖すぎというか
学生がトレーナー寮に入るのは良いんだよな
は?1番大事と言っても過言じゃないが?
一番大事なのはマーちゃんだろ何言ってんだ