1: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:24:58
師走とはいえ有馬記念の済んだトレセン学園は空気も大分落ち着いたもので
相も変わらずターフではサイレンススズカが駆けているし
プールではトレーナーとの押し問答をしていたヒシミラクルが
制服のまま彼の背中に紐で縛られ無表情のまま水中を往復している
それでも年末を感じさせる音というものはあるもので
歩いているナリタタイシンの耳がぴくり、と反応を示した
「ンィーーーーーーッ!」
半開きのドアから室内を覗けば果たしてダイワスカーレットであった
目の前のスクリーンに映し出される担当の姿に彼女が反応すると
背後に設置されたウマ娘ケツしばき棒が作動し強かに殴打する
「フゥゥーーーーーッ!」
乾いた音と重なる悲鳴。
彼女の隣ではカレンチャンが同じ様に声を上げていた
「お兄ちゃんッッッ!」
年末の風物詩である108の煩悩を追い出す儀式である
相も変わらずターフではサイレンススズカが駆けているし
プールではトレーナーとの押し問答をしていたヒシミラクルが
制服のまま彼の背中に紐で縛られ無表情のまま水中を往復している
それでも年末を感じさせる音というものはあるもので
歩いているナリタタイシンの耳がぴくり、と反応を示した
「ンィーーーーーーッ!」
半開きのドアから室内を覗けば果たしてダイワスカーレットであった
目の前のスクリーンに映し出される担当の姿に彼女が反応すると
背後に設置されたウマ娘ケツしばき棒が作動し強かに殴打する
「フゥゥーーーーーッ!」
乾いた音と重なる悲鳴。
彼女の隣ではカレンチャンが同じ様に声を上げていた
「お兄ちゃんッッッ!」
年末の風物詩である108の煩悩を追い出す儀式である
2: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:25:10
彼女達の場合除夜の鐘と同じペースで行っていたのでは間に合わず
そして担当との健全な大晦日と年明けを迎える為に必要な行為だ
ふ……っと優しい眼差しを向けたナリタタイシンがそっとドアを閉める
そして担当との健全な大晦日と年明けを迎える為に必要な行為だ
ふ……っと優しい眼差しを向けたナリタタイシンがそっとドアを閉める
3: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:25:30
「来たよ」
「おおタイシン。何だ、大掃除の手伝いか?」
「まあね、そんな所」
だがしかし彼女の担当トレーナーは意外と几帳面である
熱血漢で大柄とくればズボラであっても良いものだが
何しろスカウト前のウマ娘のレース内容を事細かに調べるような男だ
女帝の所のようにはいかない
口実にはできるものの実際は一石二鳥などではない
分かっていて、こうして来ているのだからそう
冬期休暇の間でも彼の顔が見たいというのに他ならない
「おおタイシン。何だ、大掃除の手伝いか?」
「まあね、そんな所」
だがしかし彼女の担当トレーナーは意外と几帳面である
熱血漢で大柄とくればズボラであっても良いものだが
何しろスカウト前のウマ娘のレース内容を事細かに調べるような男だ
女帝の所のようにはいかない
口実にはできるものの実際は一石二鳥などではない
分かっていて、こうして来ているのだからそう
冬期休暇の間でも彼の顔が見たいというのに他ならない
「……何間抜けな顔してんの?」
「いや、顔見れて良かったと思って」
「バカじゃないの」
4: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:25:46
それは果たして心が躍った自分と相手、どちらにかけた言葉だったのか
兎にも角にもトレーナーからゆっくりしていけよと言われてしまったのだから
ナリタタイシンとしてはその言葉に従わざるを得ないのだ
兎にも角にもトレーナーからゆっくりしていけよと言われてしまったのだから
ナリタタイシンとしてはその言葉に従わざるを得ないのだ
結局は大掃除と物の整理は終わっており
彼のまた無駄遣いして購入したキャンプギアを見物したり
適当に雑談を交わし、その後は雑務をこなす彼を尻目に
ソロキャンプ動画をスマホで見ながらちらちらと様子を伺った後
いよいよをもって彼女は本題に入る事にした
「ねえ。アンタの所にもサンタさんはプレゼント持ってきたの?」
もう既に2023年の12月28日である
3日も過ぎている。だが聞かずにはいられなかった
確かめたかったのだから仕方が無いというものだ
「ん?ああそうだな。いや参ったよ今年もさ」
5: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:26:00
トレセン学園におけるサンタクロースとは概念の具現化である
サンタクロースを信じるウマソウルに土地の霊脈が呼応し
彼女達やトレーナーの欲しい物を届ける自動装置としてこの時期に動き出す
中には当然ませた考えをもった生徒も存在する為
「トレーナー」を枕元に送り届けようとサンタクロースはトレーナー陣を襲撃するのである
中央のトレーナー達は暴に秀でた精鋭ぞろいとはいえ
相手もまた百戦錬磨の好々爺であるサンタクロース、その概念
付き従う二人のトナカイ娘との連携も合いまり場合によっては敗北を喫するという
「俺はなんとかしのぎ切ったんだがグラトレは悔しがっててな…
お陰で今は大掃除もせずに外で訓練やり直してるよ
ネイトレの所も紙のトロフィーのシェルターでやり過ごしたらしいんだが
ナイスネイチャに
『トレーナーさんはそんなにアタシの枕元に並べられるの嫌だった?』
なんて拗ねられ方をしてな…それで機嫌を直して貰うのに四苦八苦だとか」
「へえ。まあらしいじゃん」
サンタクロースを信じるウマソウルに土地の霊脈が呼応し
彼女達やトレーナーの欲しい物を届ける自動装置としてこの時期に動き出す
中には当然ませた考えをもった生徒も存在する為
「トレーナー」を枕元に送り届けようとサンタクロースはトレーナー陣を襲撃するのである
中央のトレーナー達は暴に秀でた精鋭ぞろいとはいえ
相手もまた百戦錬磨の好々爺であるサンタクロース、その概念
付き従う二人のトナカイ娘との連携も合いまり場合によっては敗北を喫するという
「俺はなんとかしのぎ切ったんだがグラトレは悔しがっててな…
お陰で今は大掃除もせずに外で訓練やり直してるよ
ネイトレの所も紙のトロフィーのシェルターでやり過ごしたらしいんだが
ナイスネイチャに
『トレーナーさんはそんなにアタシの枕元に並べられるの嫌だった?』
なんて拗ねられ方をしてな…それで機嫌を直して貰うのに四苦八苦だとか」
「へえ。まあらしいじゃん」
6: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:26:39
全体の3分の1のウマ娘の元には
靴下を頭部に被せられた本物のトレーナーが届けられた
が、抵抗にあい確保に失敗したウマ娘の元には
本物と酷似した偽物のトレーナーが25日の朝には置かれていたのだった
ナリタタイシンの元にも当然模造品のトレーナーが届いており
いつもと違う胸板に触れた途端それは溶解し別のプレゼントへと姿を変えたのだ
靴下を頭部に被せられた本物のトレーナーが届けられた
が、抵抗にあい確保に失敗したウマ娘の元には
本物と酷似した偽物のトレーナーが25日の朝には置かれていたのだった
ナリタタイシンの元にも当然模造品のトレーナーが届いており
いつもと違う胸板に触れた途端それは溶解し別のプレゼントへと姿を変えたのだ
まあ、それは良いのだが
「じゃあアンタの所にはアタシが届いてたって訳?」
「ああ。まあすぐ偽物だってのには気づいたけどな」
苦笑するトレーナー
「…………へぇ」
そんな彼に合わせて上がりそうになる口角と声色をナリタタイシンが押し留める
7: 終 2023/12/28(木)14:26:56
「あちこちふくよかだったしな」
正拳が飛んだ
正拳が飛んだ
8: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:31:11
この前の目線ダスカの時のグラトレ負けてたのかよ…
9: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:35:23
雉も鳴かずば…
10: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:38:30
>>5
>紙のトロフィーのシェルター
何の何の何!?
>紙のトロフィーのシェルター
何の何の何!?
11: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:41:48
トレーナーの方にも来るんだ・・・
12: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:50:41
フルスロットル過ぎる…
13: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)14:59:10
いったいなにがどうなってるの…
14: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)15:07:02
>>13
もう今年も終わりだからね…
もう今年も終わりだからね…
15: 名無しさん(仮) 2023/12/28(木)15:11:55
唐突におかしくなってどったか読み飛ばしたかと思った