1: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:12:21
1月20日
目の前でゴールラインを突っ切り、クールダウンのジョグをしながら遠ざかっていくジャージ姿のウマ娘。二房の大きなポニーテール、小麦色の肌に凛々しい目つき。僕の愛バ、クリスエスは最高に可愛かった。
彼女を担当としてだけではなく、一人の女性として好意を抱いたのはいつだったか、きっかけも思い出せない。気がつけば恋をしていた。
クリスエスは、僕のことを大切なパートナーだと信頼してくれている、と思う。僕は今の関係性が好きだ。この愛しくも大切な関係を、変えたくない。
「…トレーナー」
いつか僕たちにひとつの終わりが来るとしても。
「――おい、トレーナー」
目の前でゴールラインを突っ切り、クールダウンのジョグをしながら遠ざかっていくジャージ姿のウマ娘。二房の大きなポニーテール、小麦色の肌に凛々しい目つき。僕の愛バ、クリスエスは最高に可愛かった。
彼女を担当としてだけではなく、一人の女性として好意を抱いたのはいつだったか、きっかけも思い出せない。気がつけば恋をしていた。
クリスエスは、僕のことを大切なパートナーだと信頼してくれている、と思う。僕は今の関係性が好きだ。この愛しくも大切な関係を、変えたくない。
「…トレーナー」
いつか僕たちにひとつの終わりが来るとしても。
「――おい、トレーナー」
2: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:12:31
なんて一人物思いにふけっていると、いつの間にかジョグを終えたクリスエスが目の前に立っていた。僕が遠くを見ているものだから不思議がって彼女も後ろを振り返り、そしてこちらに向き直るといつものように鋭く目を光らせる。
「お前は――私のトレーナー…だ」
まったくもってその通りである。恋に悩み目の前の相手に気が付かないなんて思春期の子供じゃあるまいし、恥ずべき失態だ。クリスエスの言葉を謹んで聞き入れると、彼女にタオルを手渡した。
だからこそ、決めたんだ。この気持ちは誰にも打ち明けず、墓まで持っていくと。
「お前は――私のトレーナー…だ」
まったくもってその通りである。恋に悩み目の前の相手に気が付かないなんて思春期の子供じゃあるまいし、恥ずべき失態だ。クリスエスの言葉を謹んで聞き入れると、彼女にタオルを手渡した。
だからこそ、決めたんだ。この気持ちは誰にも打ち明けず、墓まで持っていくと。
3: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:13:04
1月24日
彼女のことを好いているとしても、僕の仕事は彼女の使命を果たす手伝いをすることだ。そこに浮かれや抜かりはない。万全の体調管理、練習メニュー。そしてメンタルケア。
レッグプレスを終えて小休憩をしているクリスエスを見つめていると、彼女と目が合った。慌てて目を逸らしたのがいけなかった。まるでやましいことをしたような態度に、クリスエスがベンチから立ち上がる。
ずんずんとこちらに歩いてくるスポーツウェアの彼女に、気圧されるのではなく、吸い込まれそうな魅力を感じてしまった僕は、むしろそれが怖くて後ずさりをした。
「Why?…どうして――離れる」
迷いのないターコイズブルーの瞳が僕を射抜く。ついにはトレーニングルームの壁に背をつけるほどに追い込まれ、僕の顔を挟むように、クリスエスが両の手を壁についた。
近い。彼女の吐息が、匂いが、熱が、それらが僕をおかしくしようとするのを、懸命に堪える。墓まで持っていくって決めたじゃないか。
彼女のことを好いているとしても、僕の仕事は彼女の使命を果たす手伝いをすることだ。そこに浮かれや抜かりはない。万全の体調管理、練習メニュー。そしてメンタルケア。
レッグプレスを終えて小休憩をしているクリスエスを見つめていると、彼女と目が合った。慌てて目を逸らしたのがいけなかった。まるでやましいことをしたような態度に、クリスエスがベンチから立ち上がる。
ずんずんとこちらに歩いてくるスポーツウェアの彼女に、気圧されるのではなく、吸い込まれそうな魅力を感じてしまった僕は、むしろそれが怖くて後ずさりをした。
「Why?…どうして――離れる」
迷いのないターコイズブルーの瞳が僕を射抜く。ついにはトレーニングルームの壁に背をつけるほどに追い込まれ、僕の顔を挟むように、クリスエスが両の手を壁についた。
近い。彼女の吐息が、匂いが、熱が、それらが僕をおかしくしようとするのを、懸命に堪える。墓まで持っていくって決めたじゃないか。
4: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:13:16
「私が…何か、Mistake――間違えた、のか?」
あどけなく純粋に、目を逸らされたことを気にしているクリスエスは、僕を抑え込むように迫ってくる。その体に触れないよう壁に向かって身を縮こませるのも限界だった。
彼女の胸と僕の胸が触れる瞬間、僕は今までにない瞬発力で屈むとクリスエスの腕の牢獄から抜け出し、一目散に逃げ出した……のだが。
一陣の風が吹いたかと思うと、あっという間に僕はクリスエスに追いつかれ、お姫様抱っこの姿勢で抱きかかえられていた。
「――早いね」
「トレーナーの、おかげだ」
ああ、結局触れられてしまった。僕は湧き上がる邪な気持ちを振り払うように、顔を両手で隠しながら何度も念仏を唱え、クリスエスにお姫様抱っこで運ばれるのであった。
あどけなく純粋に、目を逸らされたことを気にしているクリスエスは、僕を抑え込むように迫ってくる。その体に触れないよう壁に向かって身を縮こませるのも限界だった。
彼女の胸と僕の胸が触れる瞬間、僕は今までにない瞬発力で屈むとクリスエスの腕の牢獄から抜け出し、一目散に逃げ出した……のだが。
一陣の風が吹いたかと思うと、あっという間に僕はクリスエスに追いつかれ、お姫様抱っこの姿勢で抱きかかえられていた。
「――早いね」
「トレーナーの、おかげだ」
ああ、結局触れられてしまった。僕は湧き上がる邪な気持ちを振り払うように、顔を両手で隠しながら何度も念仏を唱え、クリスエスにお姫様抱っこで運ばれるのであった。
5: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:13:28
1月31日
ルドルフに貰った、と言いながらクリスエスが見せてきたのは、ペアの温泉旅行券であった。これを使って二人、羽を伸ばして来るといいということだそうで。
「……私は、行きたい。お前と。――お前は、どう…だ?嫌なら――嫌と、言ってくれ」
僕が旅行券を受け取り、「休息も必要だと思っていたんだ」と笑顔を見せると、いつもと変わらないクリスエスの表情も、僕には少しだけ嬉しそうに見えた。
「嫌なわけないじゃないか」
漏れ出た独り言に怪訝な顔をする彼女をはぐらかし、旅行券を財布に仕舞い込んだ。
ルドルフに貰った、と言いながらクリスエスが見せてきたのは、ペアの温泉旅行券であった。これを使って二人、羽を伸ばして来るといいということだそうで。
「……私は、行きたい。お前と。――お前は、どう…だ?嫌なら――嫌と、言ってくれ」
僕が旅行券を受け取り、「休息も必要だと思っていたんだ」と笑顔を見せると、いつもと変わらないクリスエスの表情も、僕には少しだけ嬉しそうに見えた。
「嫌なわけないじゃないか」
漏れ出た独り言に怪訝な顔をする彼女をはぐらかし、旅行券を財布に仕舞い込んだ。
6: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:13:41
僕は彼女に誘われるのが嬉しかった。この気持ちに諦めがつくから。
もし、旅行券をシンボリルドルフから受け取ったのが僕だったら、きっと僕は、一緒に行こうなんてクリスエスに声をかけられなかった。お友達と行っておいでと二枚とも渡したことだろう。
クリスエスが僕を誘ってくれたのは、僕とは逆にそこにトレーナーとウマ娘を超えた感情はなく、大切なパートナーだと思ってくれているからだ。僕の片思い、その事実が逆に、嬉しかった。
きっとこの温泉旅行を経て、僕はいい歳して年下の担当に初恋なんていう、思春期を卒業するだろう。その時晴れて、僕は大人になれるのかもしれないと思うと、胸が踊った。
もし、旅行券をシンボリルドルフから受け取ったのが僕だったら、きっと僕は、一緒に行こうなんてクリスエスに声をかけられなかった。お友達と行っておいでと二枚とも渡したことだろう。
クリスエスが僕を誘ってくれたのは、僕とは逆にそこにトレーナーとウマ娘を超えた感情はなく、大切なパートナーだと思ってくれているからだ。僕の片思い、その事実が逆に、嬉しかった。
きっとこの温泉旅行を経て、僕はいい歳して年下の担当に初恋なんていう、思春期を卒業するだろう。その時晴れて、僕は大人になれるのかもしれないと思うと、胸が踊った。
7: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:14:00
1月20日
夢を見た。私の小指に赤い糸が巻き付いていた。糸の先はどこか遠くに向かってピンと伸びている。私は糸を追って校舎を歩いた。
小指に巻かれる赤い糸は、運命の相手と繋がっている。そんな逸話を聞いたことがある。私は糸の先が誰に繋がっているのか、ぼんやりと予想はしていた。きっと、トレーナーだ。
トレーナーは私のすべてを理解してくれている。一生のうちに二度とない出逢いだと思う。私はこの糸の先がトレーナーだと嬉しい、と思っているのか?
糸を辿った先にはやはり、トレーナーがいた。いつものようにバインダーを持っている。その小指には、私から伸びた赤い糸。それだけではなかった。
彼の小指には他にも、数本の赤い糸が巻き付いていた。その糸はあらゆる方向に伸びて誰に繋がっているのか見ることは出来ない。その時、ようやく理解したのだ。
夢を見た。私の小指に赤い糸が巻き付いていた。糸の先はどこか遠くに向かってピンと伸びている。私は糸を追って校舎を歩いた。
小指に巻かれる赤い糸は、運命の相手と繋がっている。そんな逸話を聞いたことがある。私は糸の先が誰に繋がっているのか、ぼんやりと予想はしていた。きっと、トレーナーだ。
トレーナーは私のすべてを理解してくれている。一生のうちに二度とない出逢いだと思う。私はこの糸の先がトレーナーだと嬉しい、と思っているのか?
糸を辿った先にはやはり、トレーナーがいた。いつものようにバインダーを持っている。その小指には、私から伸びた赤い糸。それだけではなかった。
彼の小指には他にも、数本の赤い糸が巻き付いていた。その糸はあらゆる方向に伸びて誰に繋がっているのか見ることは出来ない。その時、ようやく理解したのだ。
8: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:14:16
運命の相手は、一人とは限らない。一生のうち何度も他人と関わる人には、何度も出会いがあるということだ。そして結ばれるのは、最も早く、最初に確定させた一人なのだと。
レースも、人生も、根本原理は同じだ。ゲートに並ぶすべてのウマ娘に一着のチャンスがあるが、誰かが一着になってしまえばもう、他の者は一着になることは出来ない。
トレーナーの小指に繋がる運命の相手、私を含めるすべての相手に権利はあるが、最初にゴールした者が確定されたらもう、他の者にはチャンスはないのだろう。
レースも、人生も、根本原理は同じだ。ゲートに並ぶすべてのウマ娘に一着のチャンスがあるが、誰かが一着になってしまえばもう、他の者は一着になることは出来ない。
トレーナーの小指に繋がる運命の相手、私を含めるすべての相手に権利はあるが、最初にゴールした者が確定されたらもう、他の者にはチャンスはないのだろう。
9: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:14:27
ジョグをしながらトレーナーに近づいていく。あの夢を悪夢と見るか、それとも吉夢と見るかは私次第だ。私は、吉夢と見た。いち早く、根本原理を知ることが出来たのだから。
「…トレーナー」
タオルを受け取ろうと声をかけたのだが、トレーナーは何か考え事をしているようだった。視線の先を追って振り返ってみると、グランドを走る他のウマ娘たちの姿。
「お前は――私のトレーナー…だ」
だから……その先の言葉は言えなかった。ただ、私以外を見ていてほしくなかった。胸がざわつく。トレーナーは申し訳無さそうにすると、タオルを手渡してくれる。壁は、高いのかもしれない。
「…トレーナー」
タオルを受け取ろうと声をかけたのだが、トレーナーは何か考え事をしているようだった。視線の先を追って振り返ってみると、グランドを走る他のウマ娘たちの姿。
「お前は――私のトレーナー…だ」
だから……その先の言葉は言えなかった。ただ、私以外を見ていてほしくなかった。胸がざわつく。トレーナーは申し訳無さそうにすると、タオルを手渡してくれる。壁は、高いのかもしれない。
10: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:14:41
1月24日
レッグプレスを終えて小休憩をしている最中、トレーナーを見つめていた。彼はバインダーに私のことを記録しては、シャープペンシルの頭を顎に当てて時折考えにふけっている。
彼は1日中私のことを考えていてくれる。私のことを理解してくれている。不思議なくらい。とても嬉しい。心が豊かになる。けれども、私は彼のことを理解できているのだろうか。
今物思いにふける彼が、何を考えているのかわかっているのだろうか。知りたい、もっと、お前のことが。そう思っていると、不意にトレーナーと目が合った。トレーナーは慌てて目を逸らした。
「Why?…どうして――離れる」
どうして。知りたい。気がつけば彼を壁に追い詰めていた。トレーナーの吐息、匂い、熱、すべてが私をおかしくする。自分の気持ちすらわからないのに、トレーナーのことを知りたいと思うのは、傲慢だろうか。
何故こうもトレーナーのことになると体が動いてしまうのか。何故胸が痛むのか。私は、傷ついたのだろうか。私は、トレーナーに私のことを好きでいてほしかったのだろうか。
レッグプレスを終えて小休憩をしている最中、トレーナーを見つめていた。彼はバインダーに私のことを記録しては、シャープペンシルの頭を顎に当てて時折考えにふけっている。
彼は1日中私のことを考えていてくれる。私のことを理解してくれている。不思議なくらい。とても嬉しい。心が豊かになる。けれども、私は彼のことを理解できているのだろうか。
今物思いにふける彼が、何を考えているのかわかっているのだろうか。知りたい、もっと、お前のことが。そう思っていると、不意にトレーナーと目が合った。トレーナーは慌てて目を逸らした。
「Why?…どうして――離れる」
どうして。知りたい。気がつけば彼を壁に追い詰めていた。トレーナーの吐息、匂い、熱、すべてが私をおかしくする。自分の気持ちすらわからないのに、トレーナーのことを知りたいと思うのは、傲慢だろうか。
何故こうもトレーナーのことになると体が動いてしまうのか。何故胸が痛むのか。私は、傷ついたのだろうか。私は、トレーナーに私のことを好きでいてほしかったのだろうか。
11: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:15:01
私の足は生徒会室に向かっていた。時折、手に残る彼を抱きかかえた時の感触を慈しみながら。
この胸のうちに燻る炎のような感情、先ほどの接近で余計に燃え上がってしまった。今トレーナーと一緒にいると、何をしてしまうか、自分でもわからない。
ルドルフに会い、このことを相談してみたところ、彼女は、笑っていた。
「私の見たところ、君たちは相思相愛の仲。むしろてっきり、もうそういう関係になっていたと思っていたよ」
私と、トレーナーが、両思い。これほどまでに私を理解してくれる彼は、私のことを憎からず思っているとは感じていた。しかし、それが自惚れでないかという疑念も拭えないまま、認められなくなっていた。
この胸のうちに燻る炎のような感情、先ほどの接近で余計に燃え上がってしまった。今トレーナーと一緒にいると、何をしてしまうか、自分でもわからない。
ルドルフに会い、このことを相談してみたところ、彼女は、笑っていた。
「私の見たところ、君たちは相思相愛の仲。むしろてっきり、もうそういう関係になっていたと思っていたよ」
私と、トレーナーが、両思い。これほどまでに私を理解してくれる彼は、私のことを憎からず思っているとは感じていた。しかし、それが自惚れでないかという疑念も拭えないまま、認められなくなっていた。
12: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:15:12
私は、もしかして、怖い……のか。確かめることが。
「気になるなら、確かめるといい。ちょうどいいものをあげよう」
手渡されたのは、ペアの温泉旅行券。もしこれで誘って、断られるようなら難しいだろうが、きっと断られないと思うよ、と。
「Thanks――ルドルフ」
「誘う時は、君の素直な気持ちも添えてね」
「気になるなら、確かめるといい。ちょうどいいものをあげよう」
手渡されたのは、ペアの温泉旅行券。もしこれで誘って、断られるようなら難しいだろうが、きっと断られないと思うよ、と。
「Thanks――ルドルフ」
「誘う時は、君の素直な気持ちも添えてね」
13: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:15:22
1月31日
トレーナーは旅行券を受け取り、笑顔を見せてくれた。私も、高揚を抑えられなかった。
「嫌なわけないじゃないか」
トレーナーが寂しそうに呟く言葉を聞いて、胸が締め付けられた。お前も、私と同じ気持ち、なのか?
両思いなら、とても困ったことになった。そうだとしたら、私はおそらく歯止めが効かなくなる。学園と提携している旅館だから何をしても大丈夫だよ、とはルドルフは言っていたが。
やはり、足りない。お前のことをもっと理解したい、知りたい。きっとこの温泉旅行を経て、私はトレーナーの気持ちを知ることが出来るのかもしれない。お前も私と同じように思ってくれていたなら……。
そう考えると、胸が踊った。
トレーナーは旅行券を受け取り、笑顔を見せてくれた。私も、高揚を抑えられなかった。
「嫌なわけないじゃないか」
トレーナーが寂しそうに呟く言葉を聞いて、胸が締め付けられた。お前も、私と同じ気持ち、なのか?
両思いなら、とても困ったことになった。そうだとしたら、私はおそらく歯止めが効かなくなる。学園と提携している旅館だから何をしても大丈夫だよ、とはルドルフは言っていたが。
やはり、足りない。お前のことをもっと理解したい、知りたい。きっとこの温泉旅行を経て、私はトレーナーの気持ちを知ることが出来るのかもしれない。お前も私と同じように思ってくれていたなら……。
そう考えると、胸が踊った。
14: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:15:46
2月3日
夢を見た。僕の小指には赤い糸が巻き付いていた。糸の先はクリスエスの小指に繋がっていて、彼女は僕の周りをぐるぐると走り出した。
やがて僕の体は巻きつけられる赤い糸で毛糸玉のように絡め取られ、膨らんでいく。ついにはクリスエスごと雁字搦めになり、動けなくなった。そんな夢だ。
目を開けば、桐の天井が窓から差し込む月明かりでぼんやり見えた。傍らには疲れ切って寝てしまったのだろう、すうすうとかわいく寝息を立てるクリスエス。僕は慣れない旅館の枕で、目が覚めてしまったのだ。
夢を見た。僕の小指には赤い糸が巻き付いていた。糸の先はクリスエスの小指に繋がっていて、彼女は僕の周りをぐるぐると走り出した。
やがて僕の体は巻きつけられる赤い糸で毛糸玉のように絡め取られ、膨らんでいく。ついにはクリスエスごと雁字搦めになり、動けなくなった。そんな夢だ。
目を開けば、桐の天井が窓から差し込む月明かりでぼんやり見えた。傍らには疲れ切って寝てしまったのだろう、すうすうとかわいく寝息を立てるクリスエス。僕は慣れない旅館の枕で、目が覚めてしまったのだ。
15: オワリ 2024/02/12(月)20:16:00
「う…」
体を起こそうとしてぽきぽきと筋を鳴らせる。むちゃをしすぎたのか、体がこわばっていた。諦めて再び布団に倒れ込めば、クリスエスが肩を出して寝ているのに気がついた。
風邪をひくといけない。掛け布団を深く被らせて、頭を撫でてやる。
温泉宿にて非日常に興奮した僕たちは、なし崩し的にお互いの気持ちを伝え合うことになり、掛かったクリスエスと大変なことになり、ついには覚悟を決めることになった。
墓まで持って行くつもりだったが、不思議と後悔はない。僕はクリスエスの気持ちを理解したつもりになってたけど、まだまだもっと知らなければならないなと思うばかりだ。
彼女の頭を撫でている左手の小指に、髪の毛が絡みついていた。
体を起こそうとしてぽきぽきと筋を鳴らせる。むちゃをしすぎたのか、体がこわばっていた。諦めて再び布団に倒れ込めば、クリスエスが肩を出して寝ているのに気がついた。
風邪をひくといけない。掛け布団を深く被らせて、頭を撫でてやる。
温泉宿にて非日常に興奮した僕たちは、なし崩し的にお互いの気持ちを伝え合うことになり、掛かったクリスエスと大変なことになり、ついには覚悟を決めることになった。
墓まで持って行くつもりだったが、不思議と後悔はない。僕はクリスエスの気持ちを理解したつもりになってたけど、まだまだもっと知らなければならないなと思うばかりだ。
彼女の頭を撫でている左手の小指に、髪の毛が絡みついていた。
16: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:19:12
また一人のトレーナーが終わった
直に沈直
直に沈直
18: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:22:22
確定しちゃったけど両思いならまあいいか!
19: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:23:19
大型犬に襲われたみたいになってる…
20: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:23:54
両片思いだったわけだ
時間の問題だったな
時間の問題だったな
22: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:25:02
両片思いだけど結ばれるのは色々と難しくてでもなんだかんだ最後はハッピーエンドの作品好き!
23: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:25:30
両思いだ
ヨシ!
ヨシ!
24: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:25:40
トレーナーサイドだけ見てると何にもわからないまま詰みまで行っちゃうトレーナーの視点が味わえるぞ
28: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:27:07
>>24
でもトレーナーだってちゃんと自分の口から彼女への本心を伝えているんだ
でもトレーナーだってちゃんと自分の口から彼女への本心を伝えているんだ
25: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:26:21
会長が見てそう感じるレベルならトレーナーとクリスエス以外の全員が(あの二人両思いだわ…)ってなってるぞこれ
29: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:28:14
トレーナーは諦めるための旅行を始めようとしてる二週間なのにクリスエス視点だと自分の気持ちが恋だと自覚していく二週間なんだ
30: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:28:19
一人のウマ娘の幸せを掴む手助けをできて会長も満足
31: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:28:39
>>30
トレーナーは…?
トレーナーは…?
34: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:30:21
>>31
クリスエスへの思いが実ったからヨシ!
クリスエスへの思いが実ったからヨシ!
35: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:31:09
でも実らせるつもりなかったって…
39: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:32:34
>>35
実ってほしくなかったわけじゃないからね…
実ってほしくなかったわけじゃないからね…
37: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:31:45
人生の墓場に直行ですね
38: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:32:02
1レス目からオワリが確定してるのひどくない?
好きになっちゃってるって
好きになっちゃってるって
40: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:32:58
墓まで持っていくつもりだった
差しきられた
言っちゃった
ハッピーエンド
差しきられた
言っちゃった
ハッピーエンド
42: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:33:52
トレーナーもクリスエス好きだからいざってとき拒絶できねえんだするわけないんだ
43: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:34:35
オワっちゃってる…だがハジマリとも言えるのではないだろうか?
46: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:35:46
墓まで一緒になったね
48: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:36:03
トレーナーも喜んでます
49: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:36:51
一着確定だけじゃなくがんじがらめにされてない?
50: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:37:59
お幸せにー
52: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:38:45
墓まで持ってくつもりだったって下手したらこのトレーナー二心は持てないって生涯独身を貫きそうだな…
56: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:42:07
>>52
だから温泉旅行券をあげる必要があったんですね
だから温泉旅行券をあげる必要があったんですね
60: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:44:16
運命の赤い糸で結ばれるなら多分抵抗は無意味だった思う
65: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:46:25
67: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:47:10
>>65
顔見えないのになんか嬉しそう
顔見えないのになんか嬉しそう
68: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:47:26
>>65
ありがたい
ありがたい
70: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:48:55
>>65
糸おすぎ!
糸おすぎ!
84: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:55:21
>>65
暖かそう
暖かそう
69: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:47:48
最近寒いからね
赤い毛糸で巻き付けとこうね
赤い毛糸で巻き付けとこうね
72: 名無しさん(仮) 2024/02/12(月)20:49:25
オワリオワリというけれど
幸せな人生のハジマリにしか見えない
幸せな人生のハジマリにしか見えない